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Update: 2024/9/4

ウェブアクセシビリティの音声読み上げとは?役割や主なソフトについて解説

ウェブアクセシビリティの「音声読み上げ」とは何のことなのか、疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。ウェブアクセシビリティの重要性は近年注目されていますが、とくに「音声読み上げ」においてはとくに重視されています。

とはいえ、ウェブアクセシビリティの音声読み上げについて、まだまだよく分かっていないといった方も少なくありません。

  • ウェブアクセシビリティの音声読み上げについて興味がある人
  • 自社でできるWebアクセシビリティについて知りたい人
  • 視覚障がい者、読み書きが苦手なユーザーに配慮したコンテンツを作りたい人

そこで、今回はウェブアクセシビリティにおける「音声読み上げ」の概要や、よく使われているソフトなどについて解説します。

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ウェブアクセシビリティの中でも重要な「音声読み上げ」とは

ウェブアクセシビリティにおける「音声読み上げ」とは、視覚に障害を持つユーザーや、読み書きが難しいユーザーが、Webコンテンツにアクセスしやすくするための技術です。音声読み上げは、スクリーンリーダーと呼ばれるソフトウェアを使用して、ウェブページ上のテキスト情報を音声で読み上げることが可能です。

音声読み上げの主な目的は、視覚的な情報だけではなく「聴覚」からの情報を増やすことにつながります。そのため、より多くのユーザーが等しく情報にアクセスできる環境を提供できるのです。

例えば、視覚障害者がニュース記事を読む場合、スクリーンリーダーがテキストを読み上げることで、その内容を理解できるでしょう。また、ディスレクシアなどの読み書き障害を持つユーザーにとっても、音声読み上げは大きな助けとなります。

音声読み上げ機能は、ウェブアクセシビリティの一環として、すべてのユーザーがインターネット上の情報を平等に利用できるようにするためにも欠かせません。

音声読み上げは何のためにあるの?

音声読み上げ機能は、ウェブアクセシビリティの向上を目的として、さまざまなユーザーに対して情報へのアクセスを容易にするための技術です。具体的にどのような役割があるのでしょうか。ここからは、音声読み上げの役割について詳しく説明します。

視覚障害のある方のサポートの役割

音声読み上げ機能の役割としてまず挙げられるのは、視覚障害のある方が情報を得るための手段です。視覚に障害がある方は、通常の画面表示では情報を得ることが難しいため、音声でWebページの内容を読み上げる機能が必要なのです。

音声読み上げにより、ニュース記事の内容やショッピングサイトの商品情報など、目の見えない方でもさまざまなオンラインコンテンツにアクセスすることが可能になります。

たとえば、スクリーンリーダーと呼ばれるソフトウェアが、Webページ上のテキストやリンクを音声で読み上げるとします。視覚障害のあるユーザーは、この音声ガイドを頼りに、ウェブページを移動し、必要な情報にアクセスすることができるでしょう。また、画像に代替テキスト(altテキスト)を設定することで、画像の内容も音声で説明されます。そのため、視覚障害のある方が画像内容をより理解しやすくなるのです。

画面を見ずに操作する方のためでもある

音声読み上げ機能は、必ずしも視覚障害のある方だけに向けた技術ではありません。画面を見ずに操作する方にとっても便利な技術です。例えば、運転中や家事をしながら情報を得たい場合、画面を見ずに音声だけで操作できれば便利なのではないでしょうか。

音声読み上げ機能を利用することで、「ながら作業」の感覚でニュースのヘッドラインをチェックしたり、メールを確認したりすることが可能できるでしょう。

さらに、読み書き障害を持つユーザーや、高齢者のように視力が低下している方にも役立ちます。音声でも情報を提供することで、文字を読む負担が軽減され、情報を理解しやすくなります。

音声読み上げ機能を使ったコンテンツの読み上げ

音声読み上げ機能は、視覚障害者や読み書きに困難を感じるユーザーにとって、ウェブコンテンツにアクセスするための重要な手段です。音声読み上げ機能を最大限に活用するためには、ポイントをおさえたうえでコンテンツを作成する必要があります。本項からは、音声読み上げ機能を効果的に活用するための具体的な方法について説明します。

画像に的確な説明を入れる

Webページに掲載されている画像には、音声読み上げ機能を使用するユーザーが画像の内容を理解できるようにする必要があります。そのためにも、代替テキスト(altテキスト)を設定してください。

代替テキストとは、画像の内容を説明するテキストのことです。

たとえば、商品画像であれば、「赤いTシャツ、サイズM」といった具体的な説明を付けることで、視覚障害者もその画像の内容を把握できます。また、装飾的な画像やデザイン要素については、alt属性を空にしておくことで、スクリーンリーダーが不要な情報を読み上げないようにできます。

ファイルなどは音声読み上げができないものもある

PDFやマップなどのファイル形式は、音声読み上げ機能が対応していない場合があります。特にPDFファイルは、テキストが画像として埋め込まれていることが多く、スクリーンリーダーが内容を読み取れないことがあります。

上記の場合は、PDFファイルをテキスト形式に変換するか、PDFファイル内に適切なタグ付けをおこなうことで、音声読み上げ機能に対応させることが可能です。また、マップやインタラクティブなコンテンツについても、視覚情報に依存する部分が多いため、代替テキストや詳細な説明を提供することで、音声読み上げ機能をサポートすることが求められます。

Webサイトのセキュリティによっては読み上げできない

ウェブサイトのセキュリティ設定によっては、音声読み上げ機能が正しく動作しないことがあります。例えば、過度に厳しいセキュリティ設定や、JavaScriptの制約があると、スクリーンリーダーがウェブページのコンテンツを正確に読み上げられない場合があるのです。

音声読み上げ機能が正常に動作しない場合には、まずはセキュリティ設定を見直してみましょう。音声読み上げ機能が正常に動作するように、設定内容を調整することが重要です。特に、ウェブサイトが認証やアクセス制限を設けている場合は、スクリーンリーダーがアクセス可能な部分を増やすことが必要です。

音声読み上げでよく使われるソフト

音声読み上げソフトは、音声で情報を伝えるにあたって必要なツールです。ここからは、特によく使われる音声読み上げソフトについて紹介します。

VoiceOver

VoiceOverは、AppleのiOSデバイス(iPhoneやiPad)に標準搭載されている音声読み上げソフトです。主な特徴は次の通りです。

特徴詳細
直感的に操作できるユーザーがタッチスクリーンを使って簡単に操作できるように設計されている。ジェスチャー操作を駆使して、画面上の項目をタッチしたり、スワイプして次の項目に移動したりすることが可能。
広範に対応している多くのiOSアプリケーションに対応しており、メールの読み上げやウェブページのナビゲーションなど、日常的なタスクをサポート。設定をカスタマイズして、ユーザーのニーズに合わせた読み上げ速度や音声の変更が可能。
アクセシビリティの向上スクリーンリーダーとして視覚障害者にとって非常に重要なツール。iOSデバイスのアクセシビリティを大幅に向上させている。

シンプルな操作性と使いやすさが特徴のソフトといえます。Appleデバイスに標準搭載されているため、Appleユーザーであれば別途でソフトのインストール・ダウンロードをする必要がありません。

TalkBack スクリーン リーダー

TalkBackは、GoogleのAndroidデバイスに搭載されている音声読み上げソフトです。主な特徴は次の通りです。

特徴詳細
操作性ユーザーがタッチジェスチャーを使用してAndroidデバイスを操作できるように設計。
画面上の項目をタッチすると、その内容が音声で読み上げられる。
多機能性メールやメッセージの読み上げ、ウェブブラウジング、アプリ内のナビゲーションなど、多岐にわたる機能を提供。ユーザーは読み上げの速度や音声をカスタマイズ可能。
普及性Androidデバイスは世界中で広く使用されているため、TalkBackは認知度が高い。

さまざまなAndroidデバイスに用いられているソフトです。対応している機能が豊富で、ブラウザの情報だけではなく、メールやアプリ内のコンテンツも読み上げられます。

SoftTalk(ソフトーク)

SoftTalk(ソフトーク)は、日本語のテキストを音声で読み上げるためのソフトウェアです。主な特徴は次の通りです。

特徴詳細
使いやすさシンプルなインターフェースにより、初心者でも簡単に使用できる。テキストを入力するだけで、すぐに音声読み上げが可能。
多様な音声オプション複数の音声スタイルや速度を選択することができ、ユーザーの好みに合わせてカスタマイズが可能。
無料で利用可能フリーウェアとして提供されているため、誰でも無料でダウンロードして使用可能。きます。

日本語に特化した音声読み上げソフトである点が特徴です。音声のスタイルや速度などの選択肢が多く、利用者に合わせてカスタマイズできます。

Open JTalk(オープンジェイトーク)

Open JTalk(オープンジェイトーク)は、オープンソースの日本語音声合成システムです。主な特徴は以下の通りです。

特徴詳細
オープンソースオープンソースであるため、誰でも自由に利用、改変、再配布できる。研究者や開発者が独自の用途に合わせてカスタマイズしやすい。
高品質な音声合成高品質な音声合成を実現しており、自然で聞き取りやすい音声を生成。ユーザーは長時間の聞き取り作業でも疲れにくい。
柔軟な適用さまざまなアプリケーションやデバイスに組み込むことができ、幅広い用途に対応。

音声読み上げソフトでは珍しい、オープンソフトである点が特徴です。アプリやデバイスを問わず、幅広い用途に対応しています。幅広い環境で利用できるのが魅力です。

テキストーク

テキストークは、シンプルかつ高機能な音声読み上げソフトです。テキストークには以下のような特徴があります。

特徴詳細
直感的な操作ユーザーフレンドリーで直感的に操作できるよう設計。テキストの入力や読み上げの開始が簡単におこなえる。
多言語対応日本語のほか複数の言語に対応。
カスタマイズ性音声のトーンや速度、ピッチなどを細かく調整することができる。

細かな設定が可能であるため、自分の好みにオリジナルでカスタマイズされた音声体験が可能なのが、テキストークの特徴です。

また、さまざまな言語に対応しているため、国籍を問わず利用しやすいといえます。

まとめ

音声読み上げ機能は、視覚障害者や読み書きが難しいと感じるユーザーにとって重要なツールです。VoiceOverやTalkBackといったモバイルデバイス向けのソフトウェアから、SoftTalkやOpen JTalk、テキストークのようなPC向けのソフトまで、多様な選択肢があります。

各ツールを活用することで、デジタルコンテンツへのアクセシビリティを向上させ、誰もが平等に情報にアクセスできる社会を実現できます。

ぜひ、ウェブアクセシビリティの音声読み上げに興味がある方は、SEO対策やWebサイト制作に精通した専門会社に自社でできる対策について相談してみてはいかがでしょうか。

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著者
Digital Magazine editorial departmentDigital Magazine 編集部
Digital Magazineの企画・執筆・編集をしています。Webサイト制作、UX/UIデザイン、コンテンツマーケティング、SEO対策、SNS運用、広告運用に強みを持ったメンバーが、デジタルマーケティング全般の最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。
監修者
Miyazaki Norifumi宮崎 典史
THINkBAL代表。Web制作会社でWebサイト構築を学び、株式会社電通に出向。ナショナルブランドのWebサイトを数多くプロデュース。担当領域は、Webコンサルティング・戦略立案・プロジェクトマネジメント・UXリサーチ・情報設計・制作ディレクション。