Web広告の戦略の立て方は?種類別に手法やフレームワークを紹介
Web広告を実施する上では事前にしっかりとした戦略立案が必要となります。今はインターネットを活用した商品・サービスの販売が事業の成否を分けると言っても過言ではありません。
闇雲にWeb広告を実施して広告費を無駄にするのではなく、効率的なプロモーションになるよう準備をしていきましょう。
- Web広告の種類について知りたい人
- 効果的なWeb広告を使いたい人
- 広告代行会社の利用も視野に入れている人
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Web広告の戦略手法の種類
Web広告には様々な種類があります。またテクノロジーの進化によって新しいものが生まれ、また無くなっていきます。その全てを把握することは難しいため、今回は主要な5つのWeb広告をご紹介します。
- リスティング広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- ディスプレイ広告
- アフィリエイト広告
- バナー広告
リスティング広告はGoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンの検索結果に表示される広告のことです。検索連動型広告とも呼ばれ、検索キーワードに応じて広告を出し分けられるのが大きな特徴です。
例えば「不動産」と検索すれば不動産の広告が表示され、「転職」と検索すれば転職の広告が表示されます。検索キーワードはユーザーのニーズを反映していて、能動的に情報を探している人をWebサイトに集客できるため、リスティング広告は非常に費用対効果の高いWeb広告と言えます。
リスティング広告の広告料金はクリック課金のため、広告が表示されただけでは費用が発生しません。実際にクリックされWebサイトへ集客されて初めて課金されるため、無駄の少ない広告とも言えるでしょう。
またリスティング広告はGoogle広告やYahoo!広告が提供している管理画面から出稿の設定が可能で、早ければその日のうちにスタートさせることが可能です。広告費も数千円程度から始めることができるので、中小企業で少額の予算しかない広告主様でも気軽にお試しいただけます。
リターゲティング広告は自社のWebサイトに訪れたことのあるユーザーに対して、再度訪問を促す広告のことです。「さっき見たWebサイトの広告が頻繁に表示される。」と感じたことはありませんか?まさにそれがリターゲティング広告です。
既にWebサイトへの訪問履歴があるユーザーなので興味関心の度合いが高く、購入やお問い合わせにつながりやすいと言えます。また「いつ」訪れたのか、「どの」ページを見たかでターゲットリストを分けて、広告を出し分けることも可能です。
リターゲティングは様々な広告フォーマットで配信することができます。広告フォーマットにはテキスト、画像、動画などがありますので、必要なクリエイティブを用意しておくようにしましょう。
リターゲティング広告はリスティング広告と同様にGoogle広告やYahoo!広告でも提供されています。リスティング広告で集客した確度の高いユーザーをリターゲティング広告で刈り取るという流れができれば、効率的な広告運用となるでしょう。
ただしWeb広告の中でも非常に費用対効果の高いリターゲティング広告ですが、近年では個人情報保護の観点から配信が難しくなりつつあります。最新のトレンドをチェックするようにしてください。
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSもWeb広告の配信先として欠かすことはできません。今や若年層に限らず、すべての年代でSNSを利用している人が増加しており、LINEやTiktokといったSNSへの広告も増え、Webマーケティング業界でも非常に注目されています。
SNS広告では年齢や性別などターゲットに合ったユーザーにのみ配信できます。そのため自社のターゲット層に合わないからとSNSを積極的に活用していない企業でも、効果的な広告展開が可能です。
またSNS広告ではSNS上の行動履歴からユーザーの興味関心を推定し、ターゲティングに活かすことが可能です。リスティング広告のように検索キーワードとしてニーズが顕在化されているわけではないものの、フォローしているアカウントや投稿している内容をもとにして精度の高いターゲティングができるようになっています。
さらに、いいねやリツイートによって広告がシェアされ、大きな広告効果が生まれるのもSNS広告の大きな特徴のひとつです。クリエイティブを工夫して、ユーザーにとって価値のある魅力的な広告をつくることができれば、その他の広告と比較してより高い効果がでるでしょう。
ディスプレイ広告はWebサイトの広告枠に掲載される広告の総称です。広告フォーマットにはテキスト、画像、またはその両方、近年では動画なども利用されています。
ディスプレイ広告の多くはネットワーク化されているため、特定の配信先が決まっているのではなく、様々な広告枠(アドネットワークと呼びます)へ配信がされます。広告枠1つ1つに対して申し込みをするわけではなく、様々な広告枠に一括で簡単に配信ができる半面、膨大な広告枠があるため管理が難しいというデメリットもあります。
しかしネットワーク化されたディスプレイ広告では年齢や性別、地域、ユーザーの興味関心、配信先のコンテンツなどによって、ターゲティングすることが可能です。つまり同じWebサイトを見ていてもユーザー毎に別の広告が表示されます。これにより無差別に広告配信するのではなく、ターゲットを絞り込んで効果的なプロモーションを実施することが可能です。
ディスプレイ広告を提供しているサービスはGoogle広告やYahoo!広告など様々ですが、それぞれ別のターゲティング手法を用意しているので、どのようなセグメントが可能なのかは調べておくと良いでしょう。例えば前述したリターゲティング広告もディスプレイ広告のターゲティングの一種と言えます。
アフィリエイト広告は広告リンクから購入やお問い合わせにつながった場合のみ、広告掲載しているWebメディアへ広告費を支払う成果報酬型広告のことを指します。成果が発生しなければ広告費が発生しないため、リスクの少ないWeb広告となっています。
アフィリエイト広告を始めるにはWebメディアに広告掲載の依頼をする必要がありますが、A8.netやバリューコマースといったASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を利用するのが一般的です。
ASPは広告主様とWebメディアをマッチングするプラットフォームと言えます。ASPによっては初期費用や月額費用が掛かるため完全な成果報酬とはいえませんが、多くのWebメディアに広告を掲載しユーザーを集客する機会を得られます。
ASPを提供している企業はA8やバリューコマース以外にも多くあり、得意な業界やサービスが異なりますので、自社に合ったASPを探すことも重要です。
ASPに登録しているWebメディアには企業が運営する大規模なメディアから個人ブログまで様々です。個人ブログの中には品質の低いコンテンツを掲載しているものも多く含まれています。ブランド価値を大事にしている広告主様は、そうした広告の掲載先の選定もしなければなりませんので、ご注意ください。
バナー広告はディスプレイ広告の一種であり、画像フォーマットの広告のことです。
テキスト広告の場合、視認性が低く、ユーザーに読んでもらわなければ伝わらないというデメリットがあります。その点、バナー広告はイメージで広告内容が伝わりやすく、興味をもってもらいやすいという特徴があります。
また近年では5Gにより大容量の通信が高速で可能になりました。そのため動画をWebマーケティングに活用する機会が増えてきています。バナー広告より動画広告の方が情報量が多く、認知されやすい・覚えてもらいやすいと言えます。
ただしバナー広告はデザイナーにクリエイティブの制作を依頼しなければならないため、制作費が発生します。自社にデザイナーがいる場合には内製化することもできますが、慣れていない場合、品質が悪くクリック率が低くなるケースがあります。できればバナー広告に慣れた専門家に依頼するべきです。動画広告も同様に動画制作の費用を考える必要があるでしょう。
バナー広告、テキスト広告、動画広告などどのような広告フォーマットが効果的なのかは業界や商材によって異なるため、試行錯誤を繰り返しながら最適な手法を見つけるようにしてください。
Web広告戦略のフレームワーク
Web広告の種類について解説しましたが、ただ何となくスタートしても上手くいくことはありません。しっかりと戦略を立てて、自社にとってどのようなWeb広告が有効なのかを検証する必要があります。
そこでここからはWeb広告の戦略を考える上で役に立つフレームワークをご紹介していきます。
ロジックツリーは課題に対しての解決策を図解するフレームワークです。問題の原因などを枝分かれにして図解することで直感的に理解しやすく、短い時間で対策を講じることができます。
ロジックツリーにはWhyツリー(原因究明)、Whatツリー(要素分解)、Howツリー(問題解決)、KPIツリーの大きく4つの種類があります。目的に応じて、それぞれの形で作成してください。
ロジックツリーが作成できれば、経験の浅いWeb広告担当者であっても、何が悪いのか原因を突き止め、改善をしていくことが可能になります。特に広告運用においては一般的に利用されているロジックツリーがあるため、積極的な活用が求められます。
3C分析は事業戦略やWeb戦略を考える上で重要なフレームワークです。3Cは市場・顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の頭文字をとっています。
市場・顧客を分析することなく商品やサービスを販売することはできないでしょう。市場規模がどのくらいあるのか、成長性はあるのか、ターゲットが誰で、どういうニーズがあるのかなどを把握する必要があります。また競合がどういった商品を展開しているのか、それに対して自社の強み・弱みは何かを分析します。
3C分析をすることで、どのようなターゲットにどのような訴求をするのかが明確になります。ユーザーに刺さるWeb広告を実施するために3C分析を必ず実施するようにしてください。
SWOT分析は強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)のそれぞれの頭文字を取ったフレームワークです。このフレームワークは企業や事業としてだけではなく、個人の自己分析としても活用されることがあります。
Web広告におけるSWOT分析では、内部要因となる自社の強み・弱みを分析することで、それに合ったターゲット選定・メディア選定が可能になります。また外部要因となる機会・脅威を把握することで、積極的なチャレンジやリスク回避が可能になります。
自社の強みはWeb広告のクリエイティブに積極的に活かしていくようにしましょう。また自社の顧客に人気のWebメディアやインフルエンサーなどもチェックし、協力関係を築くことでチャンスになるでしょう。
STP分析はフィリップ・コトラーが提唱したフレームワークで、市場細分化(Segmentation)、狙う市場の決定(Targeting)、自社の立ち位置の明確化(Positioning)の頭文字を取っています。
まずは市場を細分化することでターゲットを明確にします。その中でどの市場を狙っていくのかを決めます。最後にその市場で自社の商品やサービスがどのような強み・弱みがあるのかを明確にします。
このように市場、競合、自社のポジションを明確にすることで、Web戦略で取るべき施策を考えることができます。競合が優位な市場で果敢にチャレンジして失敗をしてしまうことがないよう、チームとして認識を統一しておくようにしましょう。
PEST分析は事業における外部環境を分析するフレームワークです。外部環境は政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)の4つから考えます。
外部環境は自社で解決することが難しい問題であるため、PEST分析の結果をもとに自社がどう変わっていくべきかを考えていくことになります。また外部環境は変化していくので、定期的にPEST分析を実施し、戦略を見直す機会を設けなければなりません。
特にWeb広告ではテクノロジーの進化が早く、あっという間に情報が古くなってしまいます。定期的に最新の動向をチェックするようにしてください。
Web広告の戦略を考えるときのポイント
フレームワークを通して自社、競合、市場の分析を進めることができたかと思います。ここからは具体的なWeb広告の戦略を策定する際に重要なポイントを紹介します。
何事にもまずは具体的な目的やゴール設定が必要です。目的やゴールがなければWeb広告を実施した結果、良かったのか悪かったのかも分からなくなってしまいます。またゴールが明確に設定されていれば、会社やチームが進むべき方向が統一され、何をするべきなのか個々人でも判断ができるようになるでしょう。
また中長期的な目標と短期的な目標を設定し、定期的に評価できるようにしましょう。達成度に応じて目標や戦略を見直して、目的に向かって進めるように仕組みを構築してください。
自社の商品やサービスのターゲットはできるだけ明確にしてニーズを捉えるようにしましょう。ターゲットを明確にするためにはペルソナを設定すると良いでしょう。
ペルソナとはターゲットとなるユーザー像をより詳細に設定することを言います。例えば、氏名・年齢・家族構成・居住地・好きなブランド・使っているSNSなどを具体的に記載します。これにより誰でもターゲットをイメージしやすく、Web広告の担当者間でも意思を統一することができます。
目的が明確になれば、それを達成するのに必要な予算も推定することができます。企業としては事前に予算を確保することも重要な仕事と言えますので、できるだけ正確に設定するようにしましょう。
Web広告ではオークション制で単価が決まるものも多く、業界や商材によって数値が大きく異なります。広告を配信した後に予算が足りなくなったというようなことがないように事前にWeb広告のシミュレーション数値も作成しておくと良いでしょう。
シミュレーション数値はGoogle広告では管理画面上から無料で作成することができ、またその他の媒体でも担当者に作成してもらえるケースが多いので依頼してみてください。
予算については下記の記事にて詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
先述した通り、リスティング広告では検索キーワードによって広告を出し分けることが可能です。複数の検索キーワードを設定しても効果の良いキーワード・悪いキーワードが明らかになります。リスティング広告の効率を高めるためには効果の良いキーワードの選定が重要になります。
リスティング広告に限らず、効率よくターゲットにアプローチできるポイントを見つけることで、Web広告の効果を大きく改善することが可能です。Web広告の戦略策定段階で見つけることができれば良いですが、実行段階においても常に模索するようにしましょう。
ただWeb広告の未経験者では効率の良いアプローチポイントを見つけることが難しいため、広告代理店や媒体社などのパートナーから必要な情報を提供してもらうのが効率的です。
自社のターゲットによって広告を配信するべき媒体は異なります。そのためターゲットが普段どのようなWebメディアを見たり、Webサービスを使っているのかは調査しておくと良いでしょう。
ターゲットがInstagramを頻繁に利用しているということが分かればInstagram広告が有効ですし、GoogleよりもYahoo!JAPANで検索しているということが分かればYahoo!検索広告が有効だと言えるでしょう。
また媒体によって世帯年収や子供の有無といった保有しているデータが異なるため、どのようなターゲティングができるのか、またそれが自社の広告に活かせるかどうかを考えるようにしてください。
Web広告の選び方については下記の記事にて詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
Web広告の戦略は代行できる?おすすめの代行会社5選
Web広告の戦略について解説しましたが、非常に難解に感じられる方も多いでしょう。またリソース不足によって綿密な戦略が策定できない広告主様もいるかと思います。その場合はWeb広告の戦略を代行できるパートナー企業を見つけることをおすすめします。Web広告の戦略を代行できる企業を何社かピックアップさせていただきました。
旧オプト社として知られる株式会社デジタルホールディングスは1994年に設立された老舗のWeb広告・Webマーケティング会社です。長く経営されていることもあり、その実績は日本トップクラスと言えるでしょう。またWeb広告の戦略はもちろんですが、デジタルに関する課題については一通りお任せすることができると思います。戦略立案の段階からお任せしたいということであればデジタルホールディングスがオススメです。
博報堂DYホールディングスを親会社に持つ株式会社アイレップも1997年に設立された老舗のWeb広告代理店です。博報堂といった日本最大級の広告代理店という大きな母体を持つアイレップはデジタルホールディングスと同様に豊富な実績を誇ります。Web広告やSEO対策など各種施策について精通しているため、大手企業による充実したサービスの提供を受けたいという広告主様にオススメです。
2010年に設立されたアナグラム株式会社は前述したデジタルホールディングス、アイレップと比較すると新興企業と言えるでしょう。しかしWebマーケティング業界では広く名が知られており、目覚ましい成長をしています。特にGoogle広告やYahoo!広告などの広告運用の領域ではトップクラスの実力があります。広告の成果をしっかり出してもらいたいという広告主様にオススメです。
社名に電通がある通り、株式会社電通デジタルは電通グループのデジタル領域を専門にする企業です。株主には電通とWebマーケティング会社として知られるセプテーニ・ホールディングスの名前があります。2016年に設立された電通デジタルは社歴としては浅いものの、2021年の売上高470億円になるなど急速に成長しています。電通という盤石な基盤を活かしたWeb広告の提案をしてくれるはずです。
サイバーエージェントと言えば、アメブロ・ABEMA・ウマ娘など様々な事業を展開していて、まさに日本を代表するデジタル企業と言えますが、Webマーケティング領域においても日本ではトップクラスの実力を有しています。近年では話題になることの多いAIを活用したWeb広告は開発力のあるサイバーエージェントならではのサービスです。最先端のテクノロジーを活かしたWeb広告を実施したいならサイバーエージェントがオススメです。
- Web広告の種類について
- Web広告の戦略を考え方
- Web広告のパートナー
Web広告の戦略について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?Web広告についての基礎的な内容になっていますので、既に取り組まれている広告主様にとっては物足りない内容になっていたかもしれません。しかしWeb広告において戦略の設定は重要なポイントになるため、改めて確認していただき、今後のWebマーケティングの参考にしていただければと思います。
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