コーポレートサイトとブランドサイトの違いは?制作方法についても解説
企業のブランディングを考えている担当者のなかには、
「企業ブランディングにブランドサイトは必要?」
「コーポレートサイトとの違いは?」
といった疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。ブランディングは他社との差別化をおこなううえで重要な施策です。
そこでこの記事では、ブランドサイトについてくわしく解説していきます。後半では、ブランドサイトのコンセプト設定の方法についても触れています。ぜひ参考にしてみてください。
- ブランドサイトとコーポレートサイトの違いがわからない人
- ブランドサイトをこれから制作する人
- コンセプト設定のやり方を知りたい人
コーポレートサイトとブランドサイトはどう違う?
コーポレートサイトとブランドサイト、両者の違いについて知ることで、より効果的なブランドサイト運営をおこなえるようになるでしょう。ここからは、それぞれの違いについて解説していきます。
コーポレートサイトとは、企業の情報を発信するサイトです。自社がどんな事業をおこなっているのか、どんな取り組みをおこなっているのかなどといった情報を発信していきます。
こうした特徴から、コーポレートサイトにアクセスするのは以下のようなユーザーになります。
- 既存顧客
- 見込み顧客
- 株主
- 投資家
- 求職者
各ユーザーが知りたい情報は異なっていますが、企業の情報を知りたいという点においては共通しています。
一方、ブランドサイトはサービスや商品情報を発信するサイトです。ブランドサイトでは、サービスや商品の特徴や魅力について知ってもらうためのコンテンツを発信していきます。
こうした特徴から、ブランドサイトにアクセスするのは以下のようなユーザーになります。
- ブランドのファン
- 商品やサービスに興味のある顧客
- 売上につながる顧客
- 商品の価値を知りたい潜在顧客
ブランドサイトには、商品やサービスの情報について知りたい人が訪問します。商品を購入したい人、既に購入した人、何も知らないのでこれからブランドについて学びたい人など、たくさんの人が訪れるサイトです。
また、ブランドサイトでは、以下のようなコンテンツがメインとなるでしょう。
- 商品・サービスの紹介
- 商品・サービスの魅力
- 開発ストーリー
- お役立ちコンテンツ
コーポレートサイトに比べて商品やサービスを追求するコンテンツを作成し、よりユーザーを惹きつけるような内容である必要があります。
ブランドサイトは独立させたほうが良い?その理由とは
ここまでコーポレートサイトとブランドサイトの違いについて説明しました。では、ブランドサイトは独立させるべきなのでしょうか。
先にお伝えしておくと、ブランドサイトはコーポレートサイトから独立させる方が良いです。その理由は3つあります。
- ブランドの世界観を保ちファンを獲得できる
- デザインが統一され顧客の信頼度アップにつながる
- ブランドの魅力を発信し競合と差別化できる
ここからは、上記の3つの理由についてそれぞれ解説していきます。
ブランドサイトを独立させることで、ブランドの世界観を確立しファンを獲得することができます。ブランドは商品やサービスごとに存在するため、必ず同じ世界観であるとは限りません。また、ブランドごとにターゲットが異なるので、1つのサイトでブランドを表現するのは困難です。
そこでブランドごとにサイトを切り分けることによって、それぞれの世界観が交わることなく表現することができます。また、ブランドごとにターゲットがアクセスしてくるので、ファンとして育てやすくなります。
ブランドごとにデザインを統一できるので、顧客の信頼度を高められます。ブランドに興味があるユーザーがアクセスした際、もしイメージとちがうデザインのサイトが表示されたら、がっかりしてしまうでしょう。人によっては「偽物のサイトではないか?」と疑い、サイトを離脱してしまうこともあるかもしれません。
ブランドが支持されるには、魅力的であるだけでなく信頼できるかどうかも重要なポイントです。ファンから長く愛されるためにも、デザインの統一は重要です。
ブランドサイトによって、競合と差別化することができます。上記でも述べたように、ブランドの魅力を伝えていくには、明確な世界観を演出することが重要です。もしブランドの魅力が伝わらなければ、競合との違いが分からず、埋もれてしまうでしょう。
競合と差別化できない場合、価格競争に陥ったりしてしまいます。するとファンを育てられず、売上が伸びなかったり、安定しなかったりしてしまいます。
ブランドサイトの役割につていは、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
ブランドサイトの必要性
ブランドサイトが必要だとされているのは、ブランドサイトに2つの効果があるからです。
ブランドサイトの必要性について知ることで、より効果的な運用ができるようになるでしょう。ここからは、それぞれの効果について解説します。
ブランドサイトを開設することで、ブランドの認知拡大につながります。商品やサービスについて知っていたとしても、ブランドとして認識したことがないユーザーは一定数存在します。また、ブランドの特徴について知らないと、なかなか関心をもってくれません。
自社ブランドに興味をもったり、特徴や競合との違いについて知ってもらうことで、初めて認知されるのです。
また、ブランドの認知は2つのポイントからアプローチできます。
1つ目のポイントは、ブランドの歴史や価値です。ブランドは世界観だけでなく、歴史や価値によって差別化をおこなうこともできます。ただ、こうした情報はビジュアルで伝えることはなかなか難しいです。
そこでブランドサイトにてコンテンツで情報を発信していくことで、よりブランドについて深く知ってもらえるようになります。
そして2つ目のポイントは、信頼性です。サイトがあるかどうかによって、ブランドの信頼性は変わります。最近では気になることや疑問はすぐにスマホからインターネットで調べて解決することができます。
もし同じ分野のブランドと比較した場合、自社にブランドサイトがあって競合になければ優位になるでしょう。どれだけ多くの情報を発信するかという点でも、ブランドサイトは必要です。
ブランドサイトから販売促進をおこなうことも可能です。近年では決済サービスの導入により、パソコンやスマホから商品を購入できるようになりました。これにより、ブランドサイトから販売をおこなうこともできるのです。
ブランドサイトからECサイトへ遷移させると、商品の購入ページまでスムーズに誘導できます。とくにブランドサイトは商品やサービスの魅力について発信できるので、ユーザーの関心を持続したまま購入ページまで誘導できます。時間が経ってしまうと購買意欲も下がってしまうので、自然な導線を設定することがポイントとなります。
また、ブランドサイトをSNSと連携させて販売促進をおこなうのも効果的です。SNSはユーザー個人と接点をもつことができる重要なツールです。アカウントをフォローしてもらえれば、ユーザーがわざわざブランドサイトにアクセスすることがなくても、日々自社ブランドに関するコンテンツが目に入るようになるでしょう。
こうしたSNSのメリットを生かすためにも、SNSではユーザーにとって役立つ情報や共感できる情報、拡散したくなるコンテンツを発信していくことが重要となります。ブランドサイトとも相性がいいので、連携することを前提に制作を進めていくとよいでしょう。
ブランドサイトのコンセプト設定のやり方
ブランドサイトにおけるコンセプト設定は、3つの方法で進めていきます。ここからは、それぞれの方法について解説します。
コンセプト設定では、初めにターゲットを明らかにしていきます。ターゲットが決まっていないと、コンセプトが定まりません。
ターゲット設定では、以下の属性を明確にするとよいでしょう。
- 性別
- 年齢
- 職業
- 家族構成
- 趣味
- 興味・関心
- 悩み
これらの属性を明らかにすることで、ターゲット像をイメージすることができます。また、ターゲットがどんな悩みをもっているのかリサーチすることでターゲットに刺さりやすいコンテンツを制作できるようになるでしょう。
ブランド独自の世界観を意識しながらブランドの強みを発信していきましょう。このステップは競合と差別化するためにも重要なポイントとなります。
たとえば、自社のブランドが競合のコンセプトとは違い、オーガニック思考の商品を展開しているとします。この場合、オーガニックに興味のあるユーザーに訴求しなければなりません。そこで「競合よりもより自然を感じる」「体に良いことが明確にされている」といったイメージを抱いてもらうことが重要です。
こうしたイメージをブランドに反映し、訴求していくのです。するとターゲットに刺さりやすいブランドサイトになります。
ユーザーにとってどんなベネフィットが得られるのかを明確にして訴求していきましょう。たとえば上で挙げたオーガニック商品には、以下のようなメリットがあります。
- 体に優しい
- 安心して利用ができる
このようなメリットを持っているオーガニック商品ですが、実際にどんなベネフィットが得られるのか理解できていない、ユーザーも多いです。そんな時にブランドサイトが役に立つのです。
ブランドサイト内でこうしたベネフィットに着目して、訴求することで、より多くのユーザーに関心をもってもらえるようになります。
ブランドサイトの作り方
ブランドサイトの必要性がわかったところで、次にブランドサイトの制作方法について見ていきましょう。ブランドサイトを制作する際は、以下の3つのステップで進めていきます。
- ターゲットを設定
- フレームワークを作成
- コンテンツやデザインを設定
各ステップについて詳しく解説していくので、ブランドサイトを制作しようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
効果的なブランドサイトの作り方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
まずは、どんな人にブランドを伝えたいのか、ターゲットを設定をします。ターゲットを定めることで、どんなコンテンツを発信していけばいいのか、方針が定まります。効率的にサイトを運営していくためにも、初期段階でターゲットを設定する必要があります。
ターゲット設定では、ペルソナ設計が有効です。ペルソナ設計とは、架空の人物をイメージし、悩みや行動などを具体化していくことです。
たとえば、今回アパレルに関するブランドサイトを立ち上げるとしましょう。上記の属性を用いてペルソナ設定をおこなうと、以下のようになります。
名前 | 小島澪 |
性別 | 女性 |
年齢 | 30歳 |
職業 | メーカーの営業 |
家族構成 | 独身 |
趣味 | 映画鑑賞 |
興味・関心 | 美容 |
悩み | 年齢にふさわしいファッションがわからない |
ターゲットの属性を明らかにすることで、ターゲットがどんな行動を取りそうなのか考えやすくなります。また、ここで同年代の人たちが抱えている「年齢にふさわしいファッションがわからない」などといった悩みを記載することで、サイトの方針が見えてきます。
ターゲット設定が終われば、次はブランドサイトワイヤーフレームを作成していきましょう。ワイヤーフレームとはサイト制作に欠かせない設計図のことです。ワイヤーフレームを作成することで、サイト内での必要な要素がわかり、よりユーザーのためのブランドサイトを作成することができます。
ブランドサイトのワイヤーフレームの作成方法は以下のとおりです。
- ブランドサイトに必要な要素を洗い出す
- レイアウトを決める
- ツールで清書する
まず、ブランドサイトに必要な要素を洗い出します。一般的には以下の要素が必要になります。
- 商品・サービス紹介
- コンセプト紹介
- 開発ストーリー
- 企業紹介
- 問い合わせフォーム
- 他サイトへのリンク
上記のほかに必要なコンテンツや掲載したい項目があれば追加しましょう。もし何を掲載すればいいのか分からない場合は、競合サイトの閲覧がおすすめです。競合サイトを研究することで、ブランドサイトのあるべき姿が見えてきます。
必要な要素を洗い出したら、次にレイアウトを決めます。Webサイトでは主に4つのレイアウト手法が用いられています。
レイアウト | 特徴 |
シングルカラムレイアウト | コンテンツを縦並びにする |
マルチカラムレイアウト | 複数のカラムで構成する |
フルスクリーン型レイアウト | コンテンツを一ページに掲載 |
グリッド型レイアウト | 複数のコンテンツをカード上に配置 |
それぞれ特徴が異なっているので、コンテンツのボリュームやターゲットにあわせてレイアウトを選ぶといいでしょう。レイアウトが決まったら、ある程度のイメージを手書きで作成し、最後にツールでワイヤーフレームを作成します。
ワイヤーフレームを作成したら、コンテンツやデザインを設定していきます。
ブランドサイトのデザインは、専門的な知識のあるWebデザイナーに作成してもらうことをおすすめします。ブランドの統一感や洗練されたデザインで、ユーザーの購買意欲を奮い立たせる必要があります。また、コンテンツの作成ももブランドの魅力をより高めるためには、専門的な知識が必要となってくるでしょう。
この記事では、コーポレートサイトとの違いやブランドサイトの制作方法について詳しく解説していきました。ブランドサイトを制作する際のポイントは以下のとおりです。
- コーポレートサイトからは独立させる
- ターゲットを明確化する
- 世界観を意識しながらブランドの強みをアピールする
- 顧客ベネフィットに着目してブランドを訴求する
上記のポイントを押さえることで、より企業としてのブランドを確立させることができます。パフォーマンスを最大化することができ、自社商品・サービスの認知拡大や売上拡大にもつながるでしょう。これからブランドサイトを立ち上げる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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