リダイレクトの危険性とは?ユーザーやSEOに対するリスクや注意点について
リダイレクトの危険性について、疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。別のページへジャンプさせるためにも、リダイレクトは必要な技術の一つです。
- Webサイトのリニューアルをおこなうorおこなう予定の人
- リダイレクトの危険性についてよくわからない人
- 効果的なSEO対策を実現したい人
しかし、リダイレクトの設定方法が不適切な場合、ユーザーが離脱してしまう恐れがあります。とくに、リダイレクト設定による「警告表示」がきっかけでユーザーが不信感を抱いて離脱するケースが少なくありません。今回はリダイレクトの危険性について、詳しく解説していきます。
リダイレクトの危険性
では、早速ここからはリダイレクトの危険性とその対策について詳しく説明します。リダイレクトの設定を検討している方は、ぜひ以下を参考にしてみてください。
リダイレクト時に警告が表示される理由
リダイレクト時に警告が表示される主な理由は、ユーザーが意図しないページに誘導されるリスクがあるためです。フィッシングサイトやマルウェアを含むページへのリダイレクトを防ぐために、画面上に警告が表示されることがあります。
つまり、ユーザーを守るための警告であるといえるのです。そのため、ブラウザや検索エンジンは、ユーザーに対して不審なリダイレクトが検出されると警告を表示させる使用になっています。
たとえば、以下のような場合に警告が表示されることがあります。
- 不正なスクリプトを使用したリダイレクト
- 短時間に複数のリダイレクトが連続しておこなわれる
- 信頼性の低いサイトへのリダイレクト
上記の警告はユーザーを保護するための重要な機能です。しかし、全く悪質ではない安全ななリダイレクトでも警告が表示されることがあるので、確認の時は注意しましょう。
安全なページでも警告が出てしまうの?
安全なページでもリダイレクトの設定方法や条件によっては警告が表示されることがあります。たとえば、以下のような状況が考えられます。
- 証明書の問題:SSL証明書が正しく設定されていない場合、リダイレクト先が安全であっても警告が表示されることがあります。
- 多重リダイレクト:一つのリダイレクトが複数のリダイレクトを引き起こす場合、ユーザーやブラウザが不審であると察知して警告が表示されることがあります。
- URLの変更:頻繁にURLを変更し、リダイレクトを多用するサイトは、信頼性が低いと見なされて警告が表示されることがあります。
安全なページでありながら警告が表示されてしまう、といった事態を避けるためには、リダイレクトの設定を慎重におこないましょう。適切なセキュリティ対策を講じることが、リダイレクトにおけるさまざまなリスクを軽減するためにも必要となります。
特に、SSL証明書の更新や多重リダイレクトの回避は、ユーザーに安心感を与えるために必須の対策です。
リダイレクトの設定には細心の注意を払い、ユーザーに対して透明性のある操作をおこなうことで、サイトへの離脱や流入減少などのリスクを最小限に抑えることができます。
危険性の少なくリダイレクトのやり方
リダイレクトは、適切に設定すればユーザー体験を損なわずにWebサイトの構造を維持できます。リダイレクトの設定には複数の方法がありますが、安全性を考慮しておこなうことが重要です。ここでは、.htaccessファイルとPHPを使ったリダイレクトの方法について説明します。
.htaccessファイルでの設定
.htaccessファイルを使用してリダイレクトを設定する方法は、サーバーレベルでリダイレクトを処理します。例えば、古いURLから新しいURLへリダイレクトする場合、以下のように記述します。
.htaccessファイルで設定する方法は、Apacheサーバーを使用しているサイトに適しています。301リダイレクトは永久的なリダイレクトを意味し、検索エンジンに新しいURLをインデックスさせるのに役立つでしょう。
適切に設定することで、ユーザーと検索エンジンの両方に対して安全で信頼性の高いリダイレクトを実現できます。
PHPでの設定
PHPを使用してリダイレクトを設定する方法もあります。PHPを設定する場合、特定の条件に基づいてリダイレクトを実行したい場合に便利です。たとえば、ユーザーが特定のページにアクセスしたときに別のページへリダイレクトする場合、以下のように記述します。
PHPでのリダイレクトは、柔軟性が高く、プログラムのロジックに基づいてリダイレクトを制御できます。
適切に使用することで、安全なリダイレクトを実現し、ユーザー体験を向上させることができます。意図しないリダイレクトを防ぐためにも、リダイレクトを設定する際は、常にテストをおこない、動作を確認してから実装することをおすすめします。
JavaScriptでの設定方法
自社サイトが使用しているサーバーでHTTPリダイレクトが不可となるケースがあります。その場合は、JavaScriptでリダイレクトを設定する必要があります。
コードの一例としては、以下の通りです。
JavaScriptによるリダイレクトは、サーバー側ではなく「ブラウザ側」で実行されるのが特徴です。そのため、古いURLを新しいURLを必ずしも正確に引き継げるとは限らないのが難点です。
近年の検索エンジンは、JavaScriptの動きを認識する能力が向上されてきてはいるものの、100%の確立でURLを引き継げるわけではない点に注意してください。
HTMLタグでの設定方法
リダイレクトを設定する方法の一つに「HTMLタグ」を活用する方法があります。
HTMLタグを使って設定する場合は、以下のようなコード記述が必要です。
コード内の「リダイレクト秒数」とは、アクセスしてからリダイレクトされるまでの時間を指します。
特別な理由がなければ、基本的に「0」と設定しておいて問題はありません。なお、リダイレクトの詳しいやり方については、以下の記事でも触れているため参考にしてみてください。
リダイレクトが必要なタイミングとは
適切なタイミングでリダイレクトを設定することで、ユーザーの利便性を確保し、SEO効果を維持することができます。具体的に、リダイレクトが必要となるタイミングはいつであるのかを解説します。
Webサイトの移転
リダイレクトが必要なタイミングとして、まず挙げられるのがWebサイトの移転をおこなったタイミングです。Webサイトの移転は、ドメインの変更やホスティングサービスの変更に伴うURLの変更を指します。
Webサイトを移転する場合、旧URLから新URLへのリダイレクトを設定することで、ユーザーが新しいサイトにスムーズな移動が可能です。リダイレクトを適切に設定しないと、ユーザーが404エラーページに直面し、サイトから離れてしまう可能性があります。
たとえば、旧ドメインから新ドメインへの移行をおこなう場合、以下のように.htaccessファイルを設定します。
上記の設定により、旧URLにアクセスしたユーザーは自動的に新URLにリダイレクトされるため、サイトの流入が減少してしまうリスクを軽減できます。また、検索エンジンも新しいURLをインデックスするため、SEO効果も維持できるでしょう。
Webサイトのリニューアル
リダイレクトが必要なタイミングの一つが、Webサイトをリニューアルしたときです。
Webサイトのリニューアルは、サイトのデザインやコンテンツの大幅な変更を伴う場合におこなわれるものです。この過程で、URL構造が変更されることはよくあります。リニューアル前のURLから新しいURLへのリダイレクトを設定することで、ユーザーが迷うことなく新しいコンテンツにアクセスできるようになります。
たとえば、ページ構造を見直してURLが変更された場合、以下のように.htaccessファイルを設定します。
この設定により、旧URLをブックマークしていたユーザーや、検索エンジンのインデックスに残っている旧URLにアクセスするユーザーが新しいページに自動的に移動できます。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上とSEO効果の維持が期待できます。
リダイレクトの設定は、ユーザーと検索エンジンの両方にとって重要な操作です。適切にリダイレクトをおこなうことで、Webサイトの移転やリニューアルに伴う問題を最小限に抑えることができます。
ドメイン変更のタイミング
ドメイン変更のタイミングは、企業のブランド戦略やサービスのリブランディング、またはSEO対策の一環としておこなわれることが多く、これに伴うリダイレクト設定は重要です。
たとえば、企業名やブランド名の変更に伴い、旧ドメインから新ドメインへの移行が必要となる場合があります。その場合、ユーザーが旧ドメインにアクセスしても、新しいドメインにスムーズにリダイレクトされるように設定しなければなりません。
適切にリダイレクトを設定できれば、旧ドメインをブックマークしているユーザーや、検索エンジンに登録されている旧ドメインからのアクセスを失う心配がなくなります。結果的に、新しいドメインへのトラフィックを確保することにつながるでしょう。
また、SEO効果を継続的に維持するためにも、301リダイレクトを用いることで、検索エンジンに対して新しいドメインが正当な後継サイトであることを明示できます。
ちなみに、301リダイレクトを怠ると、検索エンジンからの評価が下がり、トラフィックの大幅な減少を招く可能性があります。
キャンペーンなどで一定期間だけURLを変更するタイミング
キャンペーンやプロモーション期間中に特定のURLを一時的に変更する場合、リダイレクトの設定が必要です。このような場合、特定のページに対して短期間のリダイレクトを設定し、キャンペーンが終了した後に元のURLに戻すことで、ユーザーを適切に誘導することが可能です。
たとえば、新商品の発売キャンペーン期間中に特設ページを設け、元の製品ページからその特設ページへリダイレクトすることで、ユーザーが簡単にキャンペーン情報にアクセスできます。
また、期間限定のセールやイベントの告知ページを作成し、通常のトップページから一時的にリダイレクトすることで、訪問者に最新情報を効果的に伝えることができます。
これにより、ユーザーの関心を引きつけると同時に、セールスやイベントの成功率を高めることが可能です。なお、キャンペーン終了後には必ずリダイレクト設定を解除し、通常のページに戻すことを忘れないようにしましょう。
リダイレクトをする際の注意点
リダイレクトを設定する際には、ユーザーエクスペリエンスの向上やSEOの観点から、いくつか注意点があります。ここでは、リダイレクトを設定する際の注意点について詳しく説明します。
個別ページ単位で設定する
リダイレクトを設定する際は、個別ページ単位でおこなうことが重要です。全体のURLを一括で変更するのではなく、それぞれの旧URLに対応する新URLを正確に設定することで、ユーザーが必要な情報に迅速にアクセスできるようになります。
たとえば、古い製品ページを新しい製品ページにリダイレクトする場合、以下のように設定が可能です。
個別ページ単位で設定することで、ユーザーが混乱することなく新しいページにたどり着けます。また、検索エンジンも適切にリダイレクトを認識し、新しいURLをインデックスできるでしょう。
変更のいらないページはそのままなど最低限にする
リダイレクトを設定する際には、変更が必要なページだけに限定することが重要です。
すべてのページを無闇にリダイレクトすると、ユーザーの混乱を招きます。また、サイト全体の整合性にも影響するため、リダイレクトは必要なページのみにとどめましょう。
例えば、トップページや主要なカテゴリページは変更せず、そのまま維持することで、ユーザーがサイトの主要な部分に迅速にアクセスできるようにします。
以下は設定における一例です。
最低限のリダイレクト設定をおこなうことで、サイトのパフォーマンスが維持され、ユーザーがスムーズにサイトを利用できるようになります。また、無駄なリダイレクトを避けることで、サーバー負荷も軽減され、サイト全体の運営が円滑におこなえるようになります。
まとめ
リダイレクトを設定する際には、ユーザーエクスペリエンスとSEO効果の両方を考慮することが重要です。個別ページ単位でのリダイレクト設定や、必要最低限の変更に留めることで、ユーザーがスムーズにサイトを利用できるようになります。
結果的に、検索エンジンからの評価も維持しやすくなるでしょう。リダイレクトを適切におこなうことで、サイトの移転やリニューアルが成功し、ユーザーと検索エンジンの両方に対して効果的なサイト運営が可能となります。
ぜひ、一度リダイレクト設定について理解を深め、必要に応じてプロへの依頼も検討してみてください。
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