オウンドメディアとコーポレートサイトの違いは?それぞれの役割と取り入れたい要素
広報活動のときによく用いられるオウンドメディア。集客施策として用いられるケースも多いですが、コーポレートサイトと似ているため、違いを理解できていないという方もいるでしょう。
- オウンドメディアとコーポレートサイトの違いがわからない人
- コーポレートサイトを制作したい人
- オウンドメディアをうまく活用できていない人
しっかり理解しておかないと、それぞれ効果を十分に発揮できない可能性があります。制作をおこなう前には、それぞれのサイトについて、違いを知っておくことが大切です。
オウンドメディアとコーポレートサイトの違い
オウンドメディアとコーポレートサイトは、同じような意味合いで使用されることもあります。しかし厳密に言えば、異なるものです。曖昧な理解で制作してしまうと、理想の仕上がりや結果は得られないでしょう。それぞれのメリットを活かすには、違いをきちんと理解しておくことが大切です。双方の違いとして、以下の点が挙げられます。
ユーザーとの距離感
オウンドメディアとコーポレートサイトの主な違いは、「ユーザーとの距離感」です。コーポレートサイトはWebに特化しているのに対し、オウンドメディアにはパンフレットなども含まれます。運用する目的や発信の仕方などが異なるため、ユーザーとの距離感がちがうのは当然ですが、具体的にはそれぞれに下記のような特徴があります。
オウンドメディアはユーザーとの距離感が近い
オウンドメディアは、潜在的な顧客をリピーターへと導くのが主な役割です。自社サービスを認知したユーザーに対して段階的にアプローチをおこない、自社の「ファン」へと成長させていきます。そのため、ホームぺージなどでは掲載しきれない情報を伝えるのが基本です。
サービスに掛ける想いや情熱などを、さまざまな媒体を通じて発信します。ユーザーとの距離感も近いため、ユーザーの共感も得やすいのが特徴です。
コーポレートサイトは一方的な情報提供になりがち
コーポレートサイトは、自社のことを認知してもらうことが主な目的です。自社の業績を上げるには、はじめに自社の存在を知ってもらう必要があります。多くの人に認知してもらう際、窓口となるものがコーポレートサイトです。サイトには主に自社の情報を掲載しますが、一方的な情報提供となってしまうケースも少なくありません。ユーザーの共感を得るためには、ユーザーの目線に立ったコンテンツ制作が大事です。
オウンドメディアでは独立したブランディングが可能
オウンドメディアは企業サイトから独立した存在であり、独自ドメインで運用されるのが一般的です。管理や運営も自社でおこなうため、実施できる施策の幅も広がります。コーポレートサイトは、自社の存在・サービスの宣伝が主な目的です。一方のオウンドメディアでは、自社サービスに無理やり関連付ける必要がないため制約も少なく、自社の伝えたい内容を自由に伝えられます。
たとえば専門性を含む内容であっても、ユーザーにとって価値のある情報であれば、その業界の専門家として認知してもらえるでしょう。このようにコーポレートサイトとは異なる役割を担っているため、オウンドメディアを活用することで独立したブランディングが可能です。他社にはない情報を発信すれば、他社との差別化も図れるでしょう。
それぞれの重要な役割とは
オウンドメディアとコーポレートサイトは、担う役割が異なります。そのため、掲載すべきコンテンツや取り組みたい施策なども違います。それぞれの役割を理解しておくことで、適した施策を実施できることに加え、特徴を活かした広報活動も可能です。オウンドメディアとコーポレートサイトは、主に下記の役割を担っています。
オウンドメディアではユーザーに役立つ情報を発信
オウンドメディアは、ユーザーに役立つ情報を発信するのが主な役割です。自社の存在を知らないユーザーに対してアプローチをおこない、共感を得ることからはじめます。共感を得られたユーザーに対し、自社のサービスを紹介することで、認知してもらいやすくなります。
実際、自社の存在を知らない潜在顧客へのアプローチ手段として、オウンドメディアが活用されるケースは少なくありません。ただ競合も多いため、ユーザーの興味を引けるような魅力のある情報を発信するようにしましょう。
コーポレートサイトでは企業情報を発信
コーポレートサイトは企業の公式サイトであり、企業の存在を知ってもらうための名刺ともいえるものです。「会社概要」や「事業内容」をはじめ、「企業理念」など主に企業に関する情報を掲載します。
またコーポレートサイトでは投資家向けのIR情報、求職者へ向けた採用情報など、特定のユーザーに向けた情報発信もおこないます。自社や商品と関連性のある方に対し、上記のような企業情報を伝えるのがコーポレートサイトの主な役割です。
オウンドメディアとコーポレートサイトを明確にわけるべき理由
ユーザーは大きく、「潜在顧客」と「顕在顧客」に分かれます。潜在顧客とは商品の必要性を感じていない層を表し、顕在顧客は利用する商品を選ぶ段階の層のことです。オウンドメディアとコーポレートサイトでは、対象となる層や実施すべき施策が異なるため、状況に応じて使いわけることが大切です。双方を明確にわけるべき理由として、以下の点が挙げられます。
- 顧客へのアプローチ方法が異なる
- ブランディングとマーケティングを同時に行える
顧客へのアプローチ方法が異なる
オウンドメディアは、潜在層とよばれる顧客が対象です。自社商品を知らない顧客に対してアプローチをおこないます。潜在層の顧客は自分のニーズに気付いていないため、抱えている悩みの解決法を知ってもらい、まずはニーズに気付いてもらうことが必要です。ニーズに気付いたところで自社商品を紹介し、利用へと誘導していきます。
対してコーポレートサイトのターゲットとなるユーザーは、顕在層とよばれる顧客です。顕在層の顧客は商品の必要性は感じているものの、どの製品を購入するか迷っている段階となります。競合商品のなかから自社商品を選んでもらう必要があるため、自社や商品の魅力をストレートに伝えるのが基本です。魅力を感じたユーザーは商品の利用だけでなく、リピーターとなってくれることにも期待できます。
オウンドメディアは新規顧客獲得に繋がりやすい
オウンドメディアは、潜在顧客へのアプローチが主な目的です。自社の存在を知らないユーザーに対し、コンテンツを通じて自社の存在を認知してもらい、最終的にリピーターへ育てていきます。たとえば、自社がハウスクリーニング事業を展開していたとします。お風呂のカビに悩むユーザーに対して、対処法と併せて自社サービスを紹介することで、自社サービスを認知してもらえるでしょう。
認知させたあとはコーポレートサイトやECサイトへ誘導し、利用を促すことでコンバージョンへつなげていきます。このように、オウンドメディアは新規顧客の獲得に繫がりやすいことが特徴です。SEO対策を実施し、検索上位に表示させると、さらに多くの流入に期待できるでしょう。
コーポレートサイトはユーザーの獲得が難しい
一方のコーポレートサイトは、既存顧客が主なターゲットです。ターゲットは自社の存在をすでに知っているため、更なる魅力を伝えることでコンバージョンへつなげます。コーポレートサイトを制作した時点では、だれもその存在を知りません。オウンドメディアなどを通じて周知活動をおこなうことにより、初めて世間に存在を知ってもらえます。
サイトの存在を認知し、訪れたユーザーに対して自社の魅力を伝え、利用を促すのがコーポレートサイトの役割です。企業情報以外は掲載しないのが基本となるため、コンテンツは自社の魅力を伝えることに特化しています。ただしコンバージョンへつなげるには、他社との差別化が大事です。他社にはない魅力をアピールすることで、自社に興味をもってもらえるでしょう。
ブランディングとマーケティングを同時に行える
ブランディングとマーケティングは混同されがちですが、目的や実施する施策が異なります。そもそもブランディングとは、「企業や商品価値の向上を目的」としたものです。企業や商品のイメージを構築し、広く認知させる活動をおこないます。一方のマーケティングは、「商品を売るための総合的な戦略」のことです。ブランディングで得たブランドイメージに沿って、自社商品を市場に売り出します。
なお、オウンドメディアとコーポレートサイトはうまく使い分ければ、ブランディングとマーケティングを同時におこなうことが可能です。双方は異なる特性をもっているため、それぞれの特徴を活かすことにより、実施できる施策の幅も広げられます。それぞれが得意とする領域をうまく活用して、効果的な施策を実施しましょう。
コーポレートサイトでは自社ブランディングが可能
コーポレートサイトでは、自社のブランディングが可能です。自社がアピールしたい情報をコンテンツとして発信することで、ユーザーに任意のイメージを与えられます。たとえば「地元密着型企業」というイメージを与えたい場合、ボランティア活動などをコンテンツに掲載してみましょう。活動風景の写真などを掲載すると、よりイメージがわきやすくなります。
またイメージカラーやロゴマークを周知させたときは、サイト内の随所に使用するのが効果的です。「コカ・コーラといえば赤」のようにカラーやロゴマークによって、企業を認知している方は多くいます。背景や重要ポイントに周知させたいカラーやロゴマークを使用すれば、ユーザーはより認知しやすくなるでしょう。
オウンドメディアではマーケティングが可能
オウンドメディアでは、マーケティングをおこなうことが可能です。従来、マーケティングは、広告を利用するのが主な施策でした。しかし広告のみでは掲載できる情報量も限られており、商品の魅力を十分に伝えることが困難です。加えて広告には掲載期限があるため、期限が切れるとユーザーに情報を届けられません。継続して情報を発信するには、広告費が膨らんでしまいます。
一方のオウンドメディアでは、自社が保有するメディアを活用して情報を発信するもの。自社メディアを利用するため、コストを抑えつつ、ユーザーに対してさまざまな角度からアプローチできます。情報量に制限もないため、自社の魅力を十分に伝えられるでしょう。加えて掲載期限もないため、作成したコンテンツは、自社の財産として蓄積していけるのもポイントです。
コーポレートに入れたい要素と作り方の流れ
コーポレートサイトはターゲットに対して、自社の魅力を伝えることが重要となるため、ユーザーが求める情報を取り入れることが重要です。取り入れたい要素はターゲットに応じて異なりますが、どのシーンにおいても下記の要素は取り入れておきましょう。なお、コーポレートサイトを制作するときは、基本的な制作手順があります。基本的な手順をおさえておけば、制作がスムーズに進むでしょう。
コーポレートに入れたい要素
コーポレートサイトには、ぜひとも取り入れておきたい要素があります。取り入れるべき要素は目的によって異なりますが、ターゲットが求める情報を届けることができません。基本的には下記の要素を取り入れておくことで、自社の魅力を伝えやすくなります。
会社概要・事業に関する情報
会社概要や展開する事業は、コーポレートサイトの軸といえるものです。会社概要で掲載すべき情報としては、下記の項目が挙げられます。
- 企業名
- 本社所在地
- 代表者名
- 事業内容
- 創業日
- 取得している免許・登録 など
また展開する事業を紹介するぺージでは、写真や動画などを使用するとより効果的です。専門的な分野であっても、ユーザーがイメージしやすくなります。
サービス・商品の紹介
サービスや商品などの紹介は、顧客の獲得を左右するため、ぜひとも作成したいコンテンツです。一般的には、商品情報や価格などを掲載します。より詳しい商品情報を掲載したいときは、商品ごとの専用ページを用意しましょう。また文章のみでは伝わらない魅力もあるため、画像や動画を活用するとよりイメージしやすくなります。
社員・社内の紹介
社員を紹介するコンテンツは企業イメージを構築するにあたり、重要な要素の一つです。「どのような人が、どのような想いで作っているか」などを掲載することで、ユーザーに安心感を与えられます。また社員情報は、採用活動をおこなうときにも有効です。先輩社員の情報をみて応募を決める求職者の方もいるため、人材確保にも役立つでしょう。
商品購入・お問い合わせフォーム
お問い合わせフォームは、コンバージョンに直結する大事なものです。しかし問い合わせフォームが使いにくく、ユーザーが離脱してしまうサイトも少なくありません。問い合わせフォームは入力項目をできる限り減らし、分かりやすいデザインにしましょう。
1.サイトのターゲットを設定
コーポレートサイトを作成するときは、はじめにターゲット設定をおこないましょう。「どのような人にサイトを見て欲しいか」を明確に定めることで、サイトのコンセプトが固まり、作成すべきコンテンツもはっきりします。ターゲットとなる人物像は、具体的に設定することがポイントです。コーポレートサイトの場合、下記のような方がターゲットとして想定されます。
- 見込み客
- リピーター
- 取引先
- 求職者
- 株主
- 従業員 など
ターゲットの設定は、サイトデザインにも大きな影響を与えます。ターゲットによって追求すべきデザインは異なります。そのためすべてのターゲットに対して、効果的なデザインというものは存在しません。テキスト一つにしても企業向けであれば固めの文章、若年層向けであれば親しみやすい文章にするなど、使い分けが必要となるでしょう。
なお、デザインによってサイト内の雰囲気やイメージが大きく変わるため、ターゲットを明確にしておくことで、デザインの方向性も定まります。ターゲットを設定する際は、これまでの利用履歴などを参考にするとよいでしょう。「これまでに自社商品を利用した人はどんな人物か」を参考にすることで、ターゲットを絞りやすくなります。
2.サイトの目的を決定
ターゲットを設定したら、サイトの目的を決めましょう。コーポレートサイトにはさまざまな情報を掲載するため、目的を明確に定めておかないと方向性がブレてしまいます。たとえばサービスの利用促進を目的としているにもかかわらず、企業アピールが強くなり過ぎると、企業PRのサイトになってしまうでしょう。
サービスの利用促進を目的とするのであれば、メインコンテンツには、サービスの情報やメリットを掲載するのが適切です。上記のように、目的を明確に決めておくことで、コンテンツに掲載すべき情報も見えてきます。
一方で企業のなかには、「自社サイトが無いからとりあえず制作しよう」など、なんとなく制作をおこなうケースもよく見られます。しかし、コーポレートサイトの制作・運営は無料ではありません。制作会社へ外注するときは制作費、自社のみで制作・運営するにあたっても、人件費やサーバーレンタル料などの費用が発生します。
明確な目的もなく運営をおこなっても方向性が定まらず、成果にも期待できないため、無駄なコストとなってしまうでしょう。コーポレートサイトは目的によって適切な運営方針も異なるため、成果を出すにはあらかじめ目的を明確に決めておくことが大事です。
3.ワイヤーフレームを作成
ワイヤーフレームは、サイトの設計図ともいえるものです。完成イメージを可視化することで、制作時に発生しがちな作業者同士の認識のズレを防げます。コーポレートサイトの作成は、プログラマーやデザイナーをはじめ、複数のクリエイターで制作にあたるのが一般的です。
しかしクリエイターごとに価値観が異なるため、完成イメージの認識にズレが生じてしまうケースも少なくありません。ワイヤーフレームを活用すると情報を共有できるため、制作者同士で意思疎通がしやすくなり、作業がスムーズに進められます。なお、ワイヤーフレームは、下記の手順で作成をおこないます。
【1.サイトマップの作成】
コーポレートサイトは、階層をツリー構造になっているのが一般的。ユーザーが迷わずに目的地にたどり着けるよう、まずはサイトに掲載する情報を整理し、サイトマップを作成します。
【2.ワイヤーフレームを作成するページの決定】
ワイヤーフレームはすべてのぺージで作成するのが理想的ですが、労力と時間がかかります。制作費用も膨らんでしまうため、優先順位を決めて作成するぺージをピックアップするのが効率的です。まずは作成したサイトマップを参考に、ぺージに優先順位をつけましょう。
【3.ぺージのレイアウトを決める】
ワイヤーフレームを作るページを決めたら、最後にレイアウトを決めます。Webページのレイアウトには、いくつか代表的なものが存在します。ユーザーに与える印象も異なるため、自社の目的やブランドに適したものを取り入れましょう。
オウンドメディアに入れたい要素と作り方の流れ
コーポレートサイトと同様に、オウンドメディアにも入れたい要素と適切な作り方があります。コーポレートサイトとオウンドメディアは、明確に使いわけることが重要です。そのため、取り入れる要素が混同しないよう注意しておきましょう。オウンドメディアに入れたい要素と作り方は、以下のとおりです。
オウンドメディアに入れたい要素
オウンドメディアは利用するコンテンツが幅広いため、取り入れる要素に悩む方もいるでしょう。オウンドメディアには、取り入れておきたい要素があります。必要な要素が欠けてしまうと効果を発揮しにくくなるため、最低でも下記の要素は取り入れておきましょう。
記事コンテンツ
潜在的なニーズをもつユーザーを集客するためのコンテンツです。自社商品を紹介する内容ではなく、ユーザーの悩みや課題を解決するための情報を掲載します。コンテンツ内で自社商品にもさりげなく触れることにより、ユーザーの興味をひき、最終的には自社が求めるコンバージョンへつなげます。記事コンテンツは自然流入によって訪問される傾向にあるため、SEO対策が必要です。
事例・体験談
商品やサービスに興味がある方にとって、事例や体験談は関心が高い情報です。事例や体験談は自分が使用する際の参考にできるため、ユーザーにとって有益な情報となります。ユーザーの共感を得ることができれば、コンバージョンにも期待できるでしょう。クライアントの社名や担当者の写真などを掲載すると、現実味が増すためより効果的です。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、商品の詳細情報や使い方などをまとめた資料のことです。一般的には、10ぺージほどでまとめた資料をPDFなどで提供されています。ホワイトペーパーを利用するときは、企業情報などを入力してもらうことがほとんどです。得た情報をもとにアプローチをおこなうことで、リード獲得へつなげます。
よくある質問・Q&A
自社商品に興味のあるユーザーにとっては、便利なコンテンツです。商品に疑問があるとき、「企業に問い合わせするのは面倒」だと思うユーザーは少なくありません。問い合わせが多い内容をあらかじめQ&Aで公開しておけば、ユーザーも疑問をすぐに解決できます。疑問を早期解決することで、サービスの利用につながりやすくなるでしょう。
1.KGI・KPIの設定
オウンドメディアを作るときは、はじめに「KGI」と「KPI」の設定が必要です。「KGI」とは最終的な目的のことで、達成すべきゴールを指します。KGIを設定しないまま運営すると、方向性が定まっていないため、実施すべき施策やコンテンツの内容も曖昧になりかねません。結果的には、コストのみが膨らむことになるでしょう。
KGIを設定することで到達すべきゴールが明確になるため、実施すべき施策やコンテンツも定まり、目標達成がしやすくなります。オウンドメディアの場合、KGIは目的によって大きく異なります。企業PRを目的として運営をおこなうのであれば、「業界シェア○%」などがKGIとなるでしょう。
一方の「KPI」は、KGIを達成するための中間目標のことです。オウンドメディアでは、さまざまなコンテンツを複合的に運営します。成果を出すにはコンテンツごとに、達成に向けた指標が必要です。その指標となるものがKPIであり、設定した値をもとに分析や改善をおこない、最終的にはKGIの達成を目指します。なお、KPIを設定するときは、下記の5つが重要とされています。
- S(Specific):明確さ
- M(Measurable):測定可能であるか
- A(Achievable):達成可能な数値か
- R(Relevant):KGIとの関連性はあるか
- T(Time-bound):期限の設定
上記は「SMART」とよばれ、KPIの設定時に重要視されることが多い項目です。自社で設定するとき、参考にするとよいでしょう。
2.ペルソナ・コンセプトの設定
KGIとKPIの設定のあとは、ペルソナとコンセプトを設定します。ペルソナ設定においては、「ユーザーの課題」をどれだけ明確にできるかがポイントです。ユーザーは、自分が抱える課題や悩みを解決するためにサイトを訪れています。サイトを訪れたとき、自分が求める情報がなければ、そのサイトに必要性は感じないでしょう。
せっかくサイトを訪れたとしても、必要性を感じないとすぐに離脱してしまいます。ユーザーにマッチした情報を発信するには、より具体的なペルソナ設定が必要です。ペルソナを設定するときは、最低でも下記の情報は取り入れるようにしましょう。
- プロフィール情報:名前、性別、年齢、職業、学歴、収入、居住地域など
- 抱えている課題と理想:どんな課題を持っているか、どのような理想をもっているか
- 行動的特徴について:情報収集の方法、購入時に優先すること、行動パターンなど
上記の情報は、アンケートなどを実施すると効率的に収集できます。ユーザーとの認識のズレも生じにくくなるため、有効なペルソナ設定がしやすくなるでしょう。そのあとは、設定したペルソナにもとづいてコンセプトを決めます。コンセントは、オウンドメディア運営の軸となるものです。社内で認識のズレが起きないように設定したコンセプトは、社内全体で共有しましょう。
3.Webサイト開発やコンテンツ制作をおこなう
続いてオウンドメディアを運営するためのWebサイト開発、およびコンテンツ制作をおこないます。Webサイト開発やコンテンツ制作には、専門的な知識とスキルが必要です。そのため、まずは運用体制を整えましょう。チームを構築するには、下記のような人員を手配する必要があります。
- プロジェクトマネージャー:プロジェクト全体の指揮をとる
- マーケター:効果検証、戦略策定などをおこなう
- ディレクター:決定事項に沿って、プロジェクトを進める
- プログラマー:システム開発、コンテンツ実装をおこなう
- デザイナー:コンテンツのデザインなどをおこなう
- ライター:コンテンツの制作、SEO対策などを実施
体制が整ったら制作に移ります。まずは実際にどういったコンテンツを作成するのかなど、制作するコンテンツの内容を決めましょう。コンテンツはユーザーにとって、有益な内容にすることが大切です。ユーザーが知りたい情報に自社の独自性を加えることで、オリジナリティあふれる質の高いコンテンツに仕上がるでしょう。
コンテンツの制作と同時に、Webサイト開発もおこないます。サイトを構築する際は、ユーザビリティに配慮することが大事です。導線を分かりやすいデザインにしたり、見やすいレイアウトにしたりすることで、ユーザーはスムーズに目的を果たせます。結果的には、コンバージョンにもつながるでしょう。
まとめ
オウンドメディアとコーポレートサイトを制作する際は、双方の違いを理解したうえで制作・運営をおこなうことが大切です。違いを理解していないまま制作を進めても、自社が設定した目標の達成は難しいでしょう。制作・運営をおこなう際には、以下の点をおさえておく必要があります。
- オウンドメディアとコーポレートサイトの違いは、ユーザーとの距離感である
- オウンドメディアはユーザーの役立つ情報を発信、コーポレートサイトは企業情報を発信
- 取り入れるべき要素をコンテンツに盛り込むことで、十分な効果に期待できる
ポイントをおさえて効果的な施策を実施し、自社のマーケティングやブランディングを成功させましょう。
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