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Update: 2024/4/28

WordPressでテスト環境を構築するには?公開前の検証で運営リスクを減らそう

WordPressでサイトを公開するにあたり、「問題なく公開できているか」などのような、不安を持つ方も多いでしょう。このようなときには、公開前にテストを行うのが有効です。

  • テスト環境の構築方法を知りたい方
  • テスト環境をつくるときの注意点を知りたい方

テストを実施すれば不具合なども公開前に気付くことができ、修正を加えることもできます。WordPressでサイト運営を行っている方は、ぜひ参考にしてください。

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WordPressのテスト環境の役割

テストと書かれた画面が浮かび上がっている様子

テストを実施する際には、はじめにテスト環境の構築が必要です。ただし、テストはやみくもに行えばよいというわけではありません。ポイントをおさえ適切な環境下で実施することで、現状を正確に把握できます。適切なテスト環境をつくるためにも、まずは役割などを理解しておきましょう。

テスト環境について
  • WordPressのテスト環境とは
  • WordPressのテスト環境の役割

WordPressのテスト環境とは

テスト環境とはシステム開発などにおいて、システムが正常に作動するか検証する作業のことです。システムに不具合は生じていないか、仕様通りに動いているかなどを確認します。検証時に不備が見つかった場合には改善を行い、正常な作動が確認できるまでテストを繰り返すのが基本です。

WordPressのテスト環境では、主にWebページが適切に動くか検証します。テストの検証では、本番と同じような状況を作りだすことが大切です。そのため、別ページを使って検証を行うことがよくあります。このようなサイトは、「開発環境」や「ステージング環境」とも呼ばれています。

WordPressのテスト環境の役割

テスト環境の主な役割は、サイト運営におけるリスクを減らすことです。このツールの利用においては知識の浅い方でもWebサイトなどの作成が可能ですが、内部では複雑な処理を行っています。そのためサイトの更新やプラグインの追加などのように、細かい変化でもエラーが発生する場合があります。

実際にサイトを公開してみると、「画面が白くなっていた」という事例も珍しくありません。このような事態が発生してしまうと、自社に対する信頼を失うことになりかねません。結果的にはユーザーが離れてしまい、売上などの成果にも影響を及ぼすでしょう。

公開前に動作チェックなどのテストを行うことで、このような失敗を減らせます。さらには、サイト運営のリスク管理にも有効です。

WordPressでテスト環境を構築する方法

ノートPCのキーボードを打っている手の様子

WordPressの場合、別途「テスト用WordPress」を使用する方法で構築をします。このツールを利用する際には、いくつかの手法がありますが、同一サーバー上で行うことがおすすめです。他の手法より手間がかからず、本番と近い形で検証できます。

テスト環境の構築方法
  • 本体のページをコピーしてテスト環境のデータベースを用意
  • レンタルサーバーからWordPressをインストールする
  • インストールしたWordPressとデータベースを連動

本体のページをコピーしてテスト環境のデータベースを用意

WordPressで検証用のサイトを作る際は、まずはデータベースの作成からはじめます。作成時は、プラグインやレンタルサーバーを使用するのがおすすめです。本体ページの情報をコピーして作成しましょう。

作成の方法は、使用するプラグインなどによって異なります。手順を間違えてしまうと正確に作成できないため、ツールごとの作成方法などはしっかりと理解しておきましょう。

なおテストを行う際は、できる限り本番と同じ環境を整えることが重要です。本番と異なる場合で検証しても、きちんとした検証はできません。環境が違う本番では、不具合が起きてしまう可能性もあるためデータベースへコピーするときは、情報漏れがないよう注意が必要です。

データベース作成について下記の記事にて詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

レンタルサーバーからWordPressをインストールする

次にレンタルサーバーから、テスト用WordPressのインストールを行います。使用するサーバーについては、本番用と同じものがおすすめです。サーバーが異なると使用するSQLなども異なる場合があり、違う条件下では適切にチェックできません。そのため、特別な事情がない限りは、本番と同じサーバーを活用するのが効率的です。

取り込んだあとは、新たにドメイン(サブドメイン)を作成してください。ドメイン名は自由に決められますが、テスト用と分かるような名前がいいでしょう。なおPC内に取り込む方法やドメイン設定の方法は、サーバーによって操作が異なる場合があります。曖昧なままだと、構築時に思わぬミスにつながるため、事前に把握しておくようにしましょう。

インストールしたWordPressとデータベースを連動

テスト用WordPressの取り込みが完了したら、次に作成したデータベースとの連動が必要です。連動させる方法は、作成したデータベースなどによって異なります。

プラグインやサーバーでデータベースを作成している場合には、ツールごとの操作手順に従って連動させてください。

本番用サイト内にデータベースを作成している場合には、本番用の情報をテスト用へ移す必要があります。このときには、プラグイン「All-in-One WP Migration」の活用がおすすめです。専門的な知識が必要なく、無料版も用意されています。プラグインを利用してデータを連動するときには、以下の2つが必要です。

  • 本番用サイトからデータのエクスポート
  • テスト用サイトへデータをインポート

上記の作業をプラグインの手順に沿って進めることで、データを移せます。

テストから本番公開までのやり方

チェックがついているPCの画面

テストが完了したら、いよいよ本番サイトで公開です。テストサイトからデータを移すことになりますが、おさえておきたいポイントがいくつかあります。ミスが起きてしまうと、テストからやり直しが必要となる場合もあるため、しっかりと理解しておきましょう。

本番公開までのやり方
  • 検証で問題がないか確認
  • 本番のサーバーにファイルを移す
  • 本番環境の公開URLを設定する
  • 本番に上書きをして完了ボタンを押す

検証で問題がないか確認

テストにて検証を行うときは、はじめに情報の確認を行いましょう。情報におかしな点はないか、コードにエラーがないかなど改めてチェックしてください。チェックを終えたら、動作確認に移りましょう。このときは、本番用サイトにできる限り近い環境を整えてください。

もし不具合が確認された場合には、修正を行う必要があります。動作不良の原因として、プラグインの相性などが考えられます。プラグインには、さまざまな種類があるため、なかには相性の悪いものもあるのです。

プラグインの組み合わせでエラーが出てしまうときには、使用するプラグインの変更が必要です。その他、不具合が起こる原因はさまざま考えられるため、症状に合わせて適切に対処しましょう。

本番のサーバーにファイルを移す

テストに問題がなければ、本番用のサーバーにファイルを移します。主には「phpMyAdmin」「All-in-One WP Migration」など、プラグインを用いて移行するのが一般的です。

まずはテスト用サーバーのプラグインへアクセスして、テスト用サイトのデータベースをエクスポートしてください。エクスポートしたファイルを本番用サーバーのプラグインへインポートします。詳しい操作については、プラグインごとの操作手順に従ってください。

これでデータの移行が完了です。ただし移行するデータのサイズが大きいときには、「config.server.php」を変更が必要な場合があります。なおデータの移行をするときには、それぞれに必ずバックアップを取るようにしましょう。バックアップを取っておけば、後ほど問題が発生したときでも対処ができるため安心です。

本番環境の公開URLを設定する

データの移行が済めば、本番環境の公開URLの設定を行いましょう。まずは、WordPress内にある「テスト環境」をクリックしてください。「切替」ボタンより、PCに取り込んだサブドメインを選択します。

すると、「テスト環境」タブ内にテスト環境URLが表示されます。表示されたURLを確認して間違いがなければ、本番URLへ公開の下にある「実行」をクリックしてください。すると、テスト環境URLから本番環境へ公開という画面が表示されます。必要事項の入力を済ませて、「確認する」のボタンをクリックしてください。

なおここで「新しいWordPressとして公開」を選択した場合には、新たにURLの設定が必要です。「www」の選択、「ドメインの後ろに文字列を追加」などを行ってください。ドメインの後ろでは、先頭に「/」の使用はできません。

本番に上書きをして完了ボタンを押す

「作成済みのWordPressへデータを上書きする」を選んだときは、すでに取り込んでいるWordPressのURLが表示されます。自分が希望するURLを選択し、「選択中」に選んだURLが表示されたことを確認したら、「確認する」をクリックしてください。

すると、WordPressデータを本番環境へ反映という画面が表示されます。テスト環境URLと本番環境URLが表示されるため、間違いがないか入念に確認しましょう。画面下部の注意事項を確認し、チェックを入れたら「完了する」をクリックしてください。

その後、画面に「本番URLへ公開を受け付けました!」が表示されると、公開への作業は完了です。WordPress一覧より、該当URLが「稼働中」になっているか確認してください。「稼働中」になっていれば、公開がされています。

テスト環境を作る際の注意点

人差し指を刺して注意喚起をするスーツの男性

テストは公開時のリスクを減らせるなど有用なものですが、いくつかの注意点があります。理解できないまま実施していると、効果的なテストができないだけでなく、取り返しがつかない事態に陥る可能性もあります。

以下の2点に注意しながらテスト環境の構築作業を進めていきましょう。

テスト環境時の注意点
  • テストであっても本番環境とほとんど変わらない環境にする
  • 移行の時もともとのデータは上書きされてしまう

テストであっても本番環境とほとんど変わらない環境にする

テストを行う際には、本番環境と変わらない環境づくりが大切です。Webやシステムはとても繊細なものであり、少しの違いでも条件が大きく異なることがあります。軽微な違いにより、テスト環境では問題がなかったにもかかわらず、本番環境では不具合が生じることもよく起きます。これでは、テストをした意味がありません。

このような事態を防ぐためにも、テストを行う際はできる限り本番と同じ環境をつくってください。本番と同じ環境をつくることで、テストの精度を向上させることができ、本番公開時の不具合を減らせます。結果的には、サイト運営のリスクを抑えることにつながります。

使用するサーバーやテストする範囲などは、本番と同様の条件を心掛けるようにしましょう。

移行の時もともとのデータは上書きされてしまう

データの上書きにも注意が必要です。テストしたデータを移行して本番用に上書きすると、もともと本番用にあったデータは消去されます。消去されたデータは、もとに戻すことはできません。特にデータベースを共有するときなどには、注意が必要です。

Webサイトは、公開して気付く不具合などもあり、修正や改善を施すこともよくあります。しかしデータを上書きしてしまうと、「もとの内容に戻したい」と思っても、戻すことができなくなります。一から作成し直すとなれば、多大な時間と労力が必要になるでしょう。

そのような事態に陥らないためには、データのバックアップをすることが大切です。バックアップさえとっておけば、もとに戻したいときなどでも容易に対応できます。本番に上書きの工程が実行される前には、必ずバックアップを行いましょう。

まとめ

Webサイトの運営を行う上で、サイトの動作チェックなどのテストは欠かせないものです。しかしながら、適切な環境を整えて実施しなければ、正確な検証はできません。テスト環境を構築する際には、以下のポイントをおさえておきましょう。

この記事のポイント
  • テストはより良いサイトを提供するために大切なもの
  • テスト環境は本番と同じ環境で構築する
  • 上書きする前にデータのバックアップがおすすめ

定期的にテストを実施して、Webサイト運営のリスクを減らしましょう。

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著者
Digital Magazine editorial departmentDigital Magazine 編集部
Digital Magazineの企画・執筆・編集をしています。Webサイト制作、UX/UIデザイン、コンテンツマーケティング、SEO対策、SNS運用、広告運用に強みを持ったメンバーが、デジタルマーケティング全般の最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。
監修者
Miyazaki Norifumi宮崎 典史
THINkBAL代表。Web制作会社でWebサイト構築を学び、株式会社電通に出向。ナショナルブランドのWebサイトを数多くプロデュース。担当領域は、Webコンサルティング・戦略立案・プロジェクトマネジメント・UXリサーチ・情報設計・制作ディレクション。

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