【売上アップ】CVRを改善したい時に試したい10この施策をプロが解説
Webサイトの問い合わせや資料請求などのコンバージョンを増やすためには、CVRの改善は必要不可欠です。しかし、CVRの改善方法はさまざまで、何をどうしたらよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
- 自社サイトのCVRが低いのではないだろうかと心配な人
- CVRの改善方法がわからない人
- 具体的なCVRの改善施策を知りたい人
そこでこの記事では、CVRの基礎知識や低下の原因を説明しつつ、CVRの改善方法について紹介いたします。
CVRとは?なぜ高い方が良いの?
CVRの改善について紹介する前に、CVRについて言葉の定義や基礎的な知識などをおさらいしておきましょう。CVRの正式名称、計算方法や計算例、CVRが高いことがなぜ良いのかについて簡単に説明します。
CVRの基礎知識
CVR(Conversion Rate)とは、Webサイトやランディングページへ訪問者が、企業側が求める行動(コンバージョン)をした割合を示します。日本語では、コンバージョン率といいます。
また、コンバージョンとは、商品の購入、問い合わせの送信、会員登録など、企業が設定する目標となる行動を指します。CVRは、訪問者数に対するコンバージョンの発生数で計算され、その値が高ければ高いほど、ユーザーにとって最適化されたWebサイトと評価されます。
CVRの計算式で表すと次の通りです。
- コンバージョン数(目標達成数) / セッション数×100
- 計算例:100CV÷10,000セッション×100=1%
上記の計算例の場合、CVRは1%となります。
CVRの数値が高い方が良い理由
前述の計算式にある通り、CVRの数値が高いということは、セッション数に対して商品の購入、問い合わせの送信、会員登録などのコンバージョンを効率的に獲得できているということです。また、Webサイトのコンテンツが訪問者のニーズと合致し、効果的に訴求できていることを意味しています。
また、CVRの数値が高いと、効率良くコンバージョンを獲得できるため、マーケティングの費用対効果が向上します。CVRを高めることは、企業にとって非常に重要です。
そのため、Webサイトのデザインやコンテンツ、ユーザビリティの改善によってCVRを最適化する取り組みが常に求められます。
今のサイトはCVRの改善が必要?平均的なCVRの数値
CVRの平均値は1~3%の間だと言われています。しかし、業界や商材、販促する媒体によってCVRの平均値は異なるため、必ずしも1~3%とは限りません。
中小企業のビジネスに特化した広告最適化ツールを提供するWordStreamによると、検索からコンバージョンした割合と、GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)からコンバージョンした割合は次の通りです(※1)。
業界 | 平均CVR(検索) | 平均CVR(GDN) |
Advocacy(弁護士) | 1.96% | 1.00% |
Auto(自動車) | 6.03% | 1.19% |
B2B(企業間取引) | 3.04% | 0.80% |
Consumer Services(小売や飲食などの顧客サービス) | 6.64% | 0.98% |
Dating & Personals(出会い) | 9.64% | 3.34% |
E-Commerce(Eコマース) | 2.81% | 0.59% |
Education(教育) | 3.39% | 0.50% |
Employment Services(人材サービス) | 5.13% | 1.57% |
Finance & Insurance(金融と保険) | 5.10% | 1.19% |
Health & Medical(健康と医療) | 3.36% | 0.82% |
Home Goods(家庭用品) | 2.70% | 0.43% |
Industrial Services(工業系事業) | 3.37% | 0.94% |
Legal(法律) | 6.98% | 1.84% |
Real Estate(不動産) | 2.47% | 0.80% |
Technology(テクノロジー) | 2.92% | 0.86% |
Travel & Hospitality(旅行) | 3.55% | 0.51% |
2017年8月から2018年1月のデータをもとに算出されたCVRです、参考程度にご覧下さい。
CVRがなかなか伸びない原因
CVRがなかなか伸びない原因はさまざまですが、ここでは、以下の5つの原因について紹介します。
- サイトの構造に問題がある
- 興味関心から行動喚起への変動ポイントがない
- CVすることによって何が得られるのかわからない
- フォーム項目が多く離脱されている
- CVにたどり着くまでの導線が複雑
それぞれの原因を参考に、ご自身のサイトを改めて見直してみましょう。
サイト構造に問題がある
流入元やページごとにCVRに大きな差がない場合は、サイトの構造に問題があるかもしれません。たとえば、ユーザーが求めている情報や商品がすぐに見つけにくかったり、操作をしてみるとサイト構造が複雑 or 乱雑になっているなどがあります。
また、興味のあるサービスだったものの、問い合わせフォームや電話番号などのコンバージョンポイントが見当たらない、わかりにくいのもCVRを下げる原因になります。さらに、現在ではスマートフォン、タブレット、PCとさまざまな媒体で、ユーザーは情報を探すため、それぞれのデバイス対応は必要不可欠です。
このように、サイト構造が複雑であったり、必要な情報が見つけにくかったりすると、ユーザーは目的の行動を起こす前に、サイトから離脱してしまう可能性があります。結果的にCVRが下がる原因となります。
興味関心から購買行動への誘導がない
ユーザーの多くは、初めて訪れたサイトでその日のうちにコンバージョンに至ることは少ないです。一般的には、他社製品・サービスと比較検討をおこない、判断材料となる情報がそろったところで、気に入った製品・サービスを決め、コンバージョンに至ります。
そのため、比較検討の段階で競合他社に負けないような製品・サービスの強みの訴求をページに明示したり、特典による訴求をしたりすることにも力を入れなければなりません。
その他にも、製品・サービスに関連するページをサイト内に用意しておくことで、ユーザーが製品・サービスに関連するキーワードで検索した際に、そのページが上位表示されるようにし、ユーザーを囲い込む必要があります。
このような購買行動へつなげるための誘導がないサイト、ページではCVRが下がる可能性があります。
CVすることによって何が得られるのかわからない
ユーザーが製品・サービスのお問い合わせや購入をすることによって、何を得られるのか明確に提示しなければ、コンバージョンに至りにくいです。
たとえば、資料請求をコンバージョンポイントとする場合、「その資料にはどのような内容が書かれていて」「ユーザーが求めている情報が載っているのか?」という点がわからないと、コンバージョンには至りにくいでしょう。
その他にもメルマガ登録をコンバージョンポイントとしている場合、メルマガ登録することによって、「どのような特典があり」「どのような情報が届くのか」などをページに記載する必要があります。商品購入がコンバージョンであれば、その商品を購入することによってユーザーがどのようなベネフィットを得られるのか記載をする必要があります。
たとえば、香水であれば、香水を使うことで「モテるようになる」「気になる体臭を隠せる」などがベネフィットとして挙げられます。
フォーム項目が多く離脱されている
問い合わせフォームの項目が多すぎると、煩わしさを感じて途中で離脱することがよくあります。また、明らかに不必要な情報の入力を求められると、ユーザーはサイトに対して不信感を抱きます。
たとえば、商品を購入するだけなのに、生年月日、年齢、性別などを聞かれると「商品購入するだけなのに、なんでこんな情報が必要なのだろうか?」とサイトに対して不信感を抱き、離脱の原因になりやすいです。
もちろん、商材によっては生年月日、年齢、性別は必要な情報です。しかし、サービスに対して明らかに不必要な情報の入力を求めるのは控えるのが無難です。もしくは、必須項目ではなく、任意項目にしておくようにするなどの対応が求められます。
CVにたどり着くまでの導線が複雑
Webサイトの導線は、ユーザーが求めている情報や行動に簡単にアクセスできるようにデザインされている必要があります。
もし、目的のページや行動に辿り着くまでに多くのステップが必要だったり、メニューやリンクがわかりにくいと、ユーザーは混乱してしまい、サイトから離脱してしまうことがあります。CVRを下げる大きな要因となりますので、導線はシンプルでわかりやすいものにし、ユーザビリティを向上させ、CVRを改善していく必要があります。
CVRの改善施策を10こ紹介
いくつかCVRが低い要因を紹介してきました。ここからはCVRを改善するための具体的な施策を次の10こ紹介します。気になる改善施策があれば、ぜひ実施して改善に取り組んでみてください。
- CVポイントの見直し
- サイト内の導線改善をおこなう
- フォーム改善をおこなう
- LPOの対策をおこなう
- コンテンツの改善
- CTAの設置箇所を増やす
- ターゲットのニーズに合わせたCVを配置する
- 離脱防止ツールを活用する
- PV・CRなどの母数を増やす
- 各デバイスの対応をおこなう
CVポイントの見直し
CVRはコンバージョン数を増やすことで改善することが可能です。
そのため、一度、サイト内のコンバージョンポイントを見直してみましょう。その際、ユーザーが何を求めているか、どのようなアクションを取ることが期待されているかを再確認します。不必要なコンバージョンポイントは削減したり、必要なCVポイントを追加したりすることで、CV数を整理して、CVR改善につなげることができます。
たとえば、コンバージョンポイントがお問い合わせしかない場合、業界によっては問い合わせへの心理的ハードルが高いと感じられるユーザーもいます。その場合は、資料請求や説明会などのCVポイントを増やすことで、心理的ハードルを下げて、CV数を増やすことが出来ます。
サイト内の導線改善をおこなう
サイトの導線を改善することでCVRの改善が見込めます。多くのWebサイトでは、大量の情報が溢れているため、ユーザーが求めている情報にたどり着きにくい可能性があります。そのため、ユーザーの求めている情報が何かを定義し、コンバージョンに至るまでのコンテンツを提供していき、サイトの導線設計を細かくおこなう必要があります。
導線の改善にはヒートマップが役立ちます。ヒートマップとは、Webページ上でのユーザー行動が視覚的に確認出来るツールのことです。特にLPのCVRを改善したいときに「どこのコンテンツがよく見られているのか」「ボタンはクリックされているのか」など確認できます。
ヒートマップ分析の結果を用いて、ユーザー行動に沿った改善案を立て、コンバージョンの導線設計を見直して、CVRの改善に取り組みましょう。
ヒートマップツールについては、こちらでも詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
フォーム改善をおこなう
入力フォームが原因でCVRが下がっていることが多々あります。いわゆるEFO(エントリーフォーム最適化)をおこなうことでCVR改善を進めます。フォームの入力時のストレス軽減や、ユーザーが途中離脱しないような施策をおこないます。
具体的には以下のようなことが挙げられます。
- 重要度の低い項目は削除する
- 住所や郵便番号は自動入力出来るようにする
- エラーが発生した場合、どこがエラーなのかを明示されるようにする
- 入力欄がタップしやすい大きさにする
- 残りの入力項目数を常に掲載しておく
EFOはCVRを改善する際に、まずは取り組みたい施策のひとつです。コンバージョンから近いページほどCVR改善の効果は出やすい傾向にあります。
LPOの対策をおこなう
LPO(ランディングページ最適化)は、訪れたユーザーを最大限にコンバージョンに結びつけるための施策です。Landing Page Optimizationの頭文字を取った略称です。
LPOの具体的な施策としては以下が挙げられます。
- 広告とファーストビューの内容を合致させる
- 内部リンクや外部リンクを減らす
- ストーリー性のあるコンテンツにする
- フォームを最適化する(EFO)
- 信頼出来る商品・サービスだと認識してもらう
- ヒートマップなどのツールを用いて、改善を行う
- コンバージョン内容を見直す
- ページの利便性を高める
- ページの読み込み速度を改善する
LPOを実施する際は、ABテストをし、効果検証をおこなう必要があります。しっかりテストし、少しずつ改善していくことでCVR向上が見込めるので、繰り返し改善を進めていきましょう。
コンテンツの改善
Webページにターゲットユーザーが求めている情報がない場合、離脱する原因になります。また、広告文、バナーの内容と遷移先のページ内容に違いがないように整合性を向上させる必要があります。
その他にも、ページ内のトンマナ、デザインの雰囲気、キャッチコピー、コンテンツの順番などターゲットユーザーに適したページにしなければ、「ここでは自分の求めているものは得られなさそうだ」と判断される可能性もあります。
たとえば、ターゲットユーザーが「子どもの矯正を考えている親御さん」にもかかわらず、ページ内の症例に大人の矯正症例が掲載されていると、違和感を与えてしまう原因になります。ターゲットユーザー像を明確にしつつ、広告文やバナーなどとページの内容との整合性を取り、CVR改善に取り組んでいきましょう。
CTAの設置箇所を増やす
CTAはユーザーに行動を促すボタンやリンクのことです。サイト内にCTAを増やすことで、ユーザーがアクションを起こしやすくなります。
購入する意思が固まるタイミングはユーザーにとってさまざまです。ファーストビューの内容を見て購入を決断するユーザーもいれば、ページの中盤で購入を決断するユーザーもいます。そういった購入の意思が固まるタイミングに合わせてCTAを適切に設置することで、ユーザーを逃すことなくコンバージョンへ導くことが出来ます。
ただし、CTAが多すぎるとユーザーに不信感や不快感を与える可能性もあるので注意が必要です。ユーザーが購入したいと思うであろうコンテンツの直後にCTAを自然に設置するように心掛けましょう。
ユーザーのニーズに合わせたCVを配置する
ユーザーが求めている情報やサービスに応じてコンバージョンポイントを設定し、それを目立つ位置に配置することで、CVRを改善することができます。
ユーザーが求める情報やサービスはそれぞれ異なります。情報量が豊富なサイトは適切な情報への内部リンクをわかりやすくページ内に貼り付けたり、複数のサービスがある場合は、どのサービスがそのユーザーにとって適しているのかを、こちらから提案しつつ、サービスページへ誘導してあげることが重要です。
その他にも、資料請求だけしたいユーザーや、今すぐにでもお問い合わせしたいユーザーなどニーズはさまざまです。ユーザーが求める情報やサービスを理解し、コンバージョンにつながる導線を設置し、CVR改善を促しましょう。
離脱防止ツールを活用する
離脱防止ツールとは、LPやWebサイトにユーザーが訪れ、離脱しようとしたときに、離脱の防止をし、再度ページへ誘導するツールのことです。せっかくページへ訪れたユーザーですから、離脱されると非常にもったいないので、離脱防止ツールを用いて効率的にユーザーの離脱を防ぎます。
例えば、100人が離脱しようとしていたところ、離脱防止ツールを用いて1人の離脱を防ぎコンバージョンまで誘導できれば、十分にCVR改善に貢献できます。
離脱防止ツールには、条件に応じてクーポンやプレゼントなどをポップアップを表示させて離脱防止するものや、商品をカートに入れたものの、購入に至らなかったユーザーに対してメールやSMSを送るツールなどがあります。
離脱防止ツールを上手く活用し、CVR改善を行いましょう。
PV・CTRなどの母数を増やす
CVRを高めるためには、サイトへの訪問者数やページビュー数を増やすことも重要です。SEO対策を強化する、広告を出稿する、SNSを活用するなどして、サイトへの流入を増やしましょう。PVやCTAなどの母数を増やすことにより、しっかりと導線を促していれば比例してCVRも増えていきます。
コンテンツの内容を良質なものにしたり、SNSや広告の文章などをしっかりとユーザーに響くものにしてアクセス数を増やしましょう。
各デバイスの対応をおこなう
現代では、スマホ・タブレット・パソコンとユーザーがページを閲覧する際のデバイスはそれぞれ異なります。デバイスの画面幅や操作に応じて、Webページも利便性を高め、各デバイスに対応した、設計を心掛ける必要があります。
パソコンには最適化されていて、スマホ・タブレットもパソコンと同じ見え方のままで、最適化されているWebページはまだまだ少なくありません。
また、レスポンシブ対応をされていても、スマホ・タブレットの操作性に合わせたデザインにされていないこともあります。今一度、サイト設計を見直して、CVR改善に取り組んでみることをおすすめします。
スマホ対応のサイト制作については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ
CVRの改善のはじめの一歩は、原因の特定です。仮説でも問題ありませんので、CVRの低下に原因の仮説を立ててください。その原因に合わせて改善施策を行うことで、CVR改善につながります。
- CVR改善はユーザーファーストである必要がある
- CVすることで何を得られるのか具体的に記載するのが大切
- ユーザーの意思が固まるタイミングでCTAボタンを配置する
今回紹介した改善方法を参考にし、自社サイトに合った具体的な改善方法を実施し、CVR改善に取り組んでいきましょう。また、たった1回の施策でCVRを改善するとは限りません。施策の実施後は検証を行い、新たな原因の仮説を立て、繰り返しCVR改善施策を実施していきましょう。
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