webサイトにおけるユーザビリティの重要性と5つの改善施策を紹介
ユーザビリティはWebサイトのコンバージョンを左右させる大事な要素です。
しかし、いざユーザビリティを向上させようと考えてもどのようにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
- ユーザビリティについて正しい知識を知りたい人
- ユーザービリティの重要性について知りたい人
- ユーザビリティの具体的な改善施策を知りたい人
そこで、今回の記事ではWebサイトにおけるユーザビリティの重要性と改善施策について紹介します。
具体的なユーザビリティの向上方法も記載していますので参考にしてみてください。
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ユーザビリティって?
そもそもユーザビリティとは一体どのようなものなのでしょうか?
ここではユーザビリティの概要について、以下の3つのポイントを中心に紹介します。
- ユーザーにとって使い勝手がいいという意味
- ユーザの満足度も必要
- ユーザーの目的達成のしやすさの意味も兼ねている
- 機能的に優れているということも含む
ユーザーにとって使い勝手がいいという意味
ユーザビリティとは「使いやすさ」や「使い勝手」という意味です。
Webサイトにおけるユーザビリティが高いということは、「Webサイトの使い勝手がいい」という意味で使われます。
特にインターネットが普及した現代では、ユーザビリティの重要性が年々高まってきています。
今まではインターネットは若者だけのものという印象がありましたが、近年では60代以上の方のインターネット利用率も上昇しています。
総務省が発表している「令和2年 情報通信白書」によると、2018年には76.6%であった60代のインターネット利用率が2019年には90.5%にまで上昇しています。
このように幅広い世代の方が利用するようになったインターネットでは、ますますユーザビリティの高さが求められるようになりました。
ユーザーにとっての満足度も必要
Webサイトにおけるユーザビリティは、「使い勝手がいい」という意味だけでなく、ユーザーにとっての満足度も必要です。
この満足度の記述は国際的なユーザビリティの定義から由来しています。
ISO(国際標準化機構)が発表している「ISO 9241-11」のユーザビリティの定義は以下の通りとなっています。
「ある製品が、指定されたユーザーによって、指定された使用状況下で、指定された目的を達成するために用いられる際の有効さ、効率、利用者の満足度の度合い」
このように定義されたユーザビリティでは、ユーザーの満足度も気にする必要があるという意味に捉えられます。
ただ単に使い勝手だけを向上させるだけなく、ユーザーの満足度を向上させるために結果的に使い勝手が向上した、という風にユーザビリティの設定に取り組んだ方がよいかもしれません。
ユーザーの目的を達成のしやすさの意味も兼ねている
先述した「ISO 9241-11」によると、ユーザビリティは「指定された目的を達成するために用いる」とも記載されていました。
そのため、ユーザーの利用状況や目的の違いによってユーザビリティは異なります。
例えば、Webサイトに訪問する人で、Aという目的を持っている方とBという目的を持っている方がいるとしましょう。
Aのためのユーザビリティだけを用意していればBの方は満足できませんし、Bのためのユーザビリティだけを用意していればAの方は満足できません。
このように多様化する全てのユーザビリティに対応することは不可能でしょう。
そのため、あらかじめWebサイトに訪れるペルソナを設定した上で、ペルソナに合わせたユーザビリティを用意した方がよりユーザーが目的を達成しやすくなります。
機能的に優れているということも含む
技術が施され、機能的にも優れている事も重要視されます。エラーが起こりにくく、目的達成がスムーズに完了するが大切です。
久々に訪問しても使いやすい状態であることもユーザビリティには重要なポイントです。
過去の履歴履歴やオートコンプリートが記憶され、閲覧済みのページリンクのテキストが異なる色で表示されている等、ユーザーごとの記録が残っていれば、使いやすいと感じる事ができます。
UI/UXやアクセシビリティとの違いは?
ユーザビリティは、UI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)やアクセシビリティと混合されるときがあります。ユーザビリティとの違いについて、解説します。
UX/UXとの違いは?
ユーザビリティとUIは、UXを構成する一部です。UI は「ユーザーとの接点」であり、UXは「ユーザーが得られる体験」です。
例として、読みやすい文字や整った配置・デザインがUI、使いやすい・分かりやすい体験がUXです。
ユーザビリティは、UIの指標です。分かりやすい配置、読みやすい文字、ボタンの押しやすさ等で得られるの満足度などを指します。
ユーザビリティを改善するために、UIを改善すると、結果的にUXの改善に繋がります。
アクセシビリティとの違いは?
ユーザビリティとはWebサイト全体の「使いやすさ」や「使い勝手」という意味に対し、アクセシビリティは「視覚的制約がある人にとっての使いやすさ」を意味します。
スクリーンリーダーという、Web上の情報をテキストで読み上げてくれる機能があります。視覚的な制約があってもWebサイトから情報を得ることができます。
画像にはalt属性でキャプションを入れる事で、画像も読み上げされます。
アクセシビリティの改善は、文字サイズの変更される機能や、色のコントラクト差をつけ見やすくする等の改善方法もあります。
アクセシビリティには、WCAG2.0とJIS X 8341-3というガイドラインが存在します。一般的に、WCAG2.0が海外向け、JIS X 8341-3が日本国内向けと考えられています。
サイトのユーザビリティを向上させるには?
ではユーザビリティを向上させるには具体的にどうすればよいのでしょうか?
ここではwebサイトのユーザビリティを向上させる具体的な方法を3つ紹介します。
- 制作者視点でなく、ユーザーの悩みに沿った作りにする
- 分析をおこなってユーザーが不満に感じているところをなくす
- 競合サイトとの比較が重要
制作者視点でなく、ユーザーの悩みに沿った作りにする
Webサイトのユーザビリティを向上させるためにはユーザーの視点に立つことが大切です。
しかし、いきなりユーザーの視点に立つといわれても、どのようにすればよいのかわからない方が多いでしょう。
そこで、まずはWebサイトに訪れるユーザーの属性を洗い出してみましょう。
ユーザーの属性として主に挙げられるのが以下の項目です。
- 性別
- 年齢
- デバイス別
- 新規リピーター別
- 言語別
これらの情報を取得するには、Googleアナリティクスの利用がおすすめです。
GoogleアナリティクスではWebサイトと同期することで、これらの情報を無料で手に入れられます。
ここで洗い出した情報をもとにターゲットを絞り込みます。
例えば、20代の女性が訪れる方が多いWebサイトであれば、20代の女性に向けたユーザビリティーに設定し直した方がよいでしょう。
ターゲットに合わせたユーザビリティを設定することで、ユーザーの目的が達成しやすくなるだけでなく、使い勝手の向上も見込まれます。
また、現代ではスマホが普及していますので、スマホに合わせたユーザビリティを設定するのも効果的です。
いずれにせよユーザビリティを向上させるには、ユーザーファーストの視点に立つことが大切になります。
分析をおこなってユーザーが不満に感じているところをなくす
ユーザービリティを向上させるには分析が欠かせません。
ユーザビリティを測定する方法として、2つの分析方法が挙げられます。それが定性分析と定量分析です。
定性分析では、Webサイトのデザインが使いやすいかどうかを調べることを目的としています。
調査方法として考えられるのが、調査対象者にWebサイトを実際に訪問してもらう方法です。
調査対象に実際にWebサイトを利用してもらうことで、制作者目線では気づかない問題点や使いにくい点が測定できます。
ユーザビリティの分析で定量的な測定をするのは難しいものの、方法が全くないわけではありません。例えば、定性分析と同じ調査を行ったとします。
定性分析では課題の発見に注力しましたが、定量分析ではタスクにかかった時間や達成率を調査します。定量分析では多くのサンプルがあった方が統計的なデータを取りやすくなります。
このような分析でデータを取得できれば、ユーザーの使い勝手が悪いパーツを洗い出して改善することも可能です。
ただし、いずれの調査をするとしてもある程度のリソースを割かなくてはいけません。そのため、もし上記のような分析を行うのであれば、リソースの確保とランダムな調査対象を用意できる環境作りをした上で行うようにしてください。
競合サイトとの比較が重要
数多くあるWebサイトの中で埋もれないためにも、競合サイトの分析は必ず行うようにしてください。
一般的にWebサイトに訪れる前には、特定のキーワードを検索します。その検索結果に応じて良さそうなコンテンツだとユーザーが判断すれば、Webサイトに実際に訪れることになります。
この検索の際にユーザー側で行われるのが比較検討です。自社サイトが良いか悪いかはユーザビリティによっても判断されますが、比較対象となる競合サイトによっても判断されます。
そのため、自社のWebサイトを把握するだけでなく、競合サイトの分析も大切になります。
具体的には競合サイトにあって、自社サイトにはないものを探してみてください。
例えば、競合サイトではAのデザインを採用していますが、自社サイトではBというデザインを採用していたとしましょう。
Aというデザインの競合サイトが検索順位に上位表示されていれば、Aというデザインを採用している競合の方がユーザビリティを満たしているということになります。
ただし、あくまでもAというデザインが必ず正解というわけではありません。先ほども述べましたが、Webサイトごとにユーザー属性は異なります。
そのため、自社サイトのユーザーがAというデザインを求めていない可能性もありますので、時期尚早にAというデザインを丸々導入するのはよくありません。
あくまでも比較した上で、自社サイトのメリットを最大限に引き出せるユーザビリティを設定するようにしましょう。
サイト改善の際にはユーザビリティの改善も必要
ここではWebサイトを改善する際にユーザビリティを改善する理由を紹介しながら、どのようなポイントを意識した上で改善すれば良いのかを解説します。
- UI/UXの改善
- サイト内がシンプルでわかりやすくする
- サイト内の行動がしやすいか
UI/UXの改善
ユーザビリティを改善するのであれば、当然サイトの改善を行います。
その際一緒にUIやUXの改善も行ってしまいましょう。
UIとはユーザーインターフェースのことで、Webサイトに表示されるデザインのことを意味します。
UXはUIと名前が似ていますが異なる概念です。
UXとはユーザー体験のことで、UIを含めた全ての顧客体験のことを意味します。
ユーザビリティとしてWebサイトを使いたいとユーザーに思わせるのであれば、UIやUXの改善は必須です。
このサイトではUIやUXの改善方法をまとめた記事も掲載しています。
ユーザビリティの改善の一環でUIやUXを改善する際にはぜひ参考にしてみてください。
→サイト改善 方法の記事へ飛ばす
サイト内がシンプルでわかりやすくする
ユーザビリティが低いWebサイトにありがちなのが、デザインがゴチャゴチャとしてしまっているパターンです。
オシャレなデザインにしようとして、入り組んだカラムに設定されているWebサイトは改善の余地があります。
Webサイトのデザインで複雑なカラム設定をしてしまっている方は、以下の種類のカラムを参考にしてシンプルなデザインにするようにしてください。
- シングルカラム…1列ずつにコンテンツを並べていくデザイン
- マルチカラム…複数のカラムで構成されているデザイン
- フルスクリーン…写真などのコンテンツを前面に強調したデザイン
特にモバイル端末全盛の時代である現代は、シングルカラムがシンプルなデザインで表示されやすいです。
1列でコンテンツを掲載していくシングルカラムは、レスポンシブデザインも組み立てやすいため、多くのWebサイトで採用されています。
今やWebサイトのレイアウトの王道はシングルカラムと言っても過言ではありません。
ただし、シングルカラムでは1列ずつしか情報が表示されませんので、全ての情報を取得するまで時間がかかってしまいがちな点は注意が必要です。
ユーザビリティを高めるためにも、伝える情報は絞った上で掲載するのがよいでしょう。
サイト内の行動がしやすいか
シンプルなデザインにしたとしても、必ずユーザビリティが向上するわけではありません。
サイト内で行動しやすいデザインこそが高いユーザビリティを提供します。
Webサイトを改善する際にはユーザーが間違えないためにも、コンテンツの導線を引いてあげることが大切です。
Webサイトの改善でユーザビリティを意識するのであれば、以下の項目は必ずチェックした上で取り組むようにしてください。
- 有効さ
- 効率
- 満足度
- 利用状況
この項目は先述した「ISO 9241-11」のユーザビリティの定義から抜粋したものです。
この項目の中でもWebサイトの改善で改善しやすいのが「効率」と「満足度」です。
例えば、入力フォームに情報を打ち込んだとします。
そこで、情報をもう一度前の画面で確認したいと思って、ブラウザバックすると入力フォームの情報が消えてしまったという経験はありませんか?
もう一度入力しなおさないといけない手間を考えると、イライラしてしまった方も多いのではないでしょうか。
このような事態がWebサイトで起きると、ユーザーの効率と満足度は低下してしまうでしょう。
しかし、Webサイトの仕様を変更して入力フォームの情報が残るように設定できれば、ユーザーの効率と満足度は上がり、ユーザビリティは向上します。
このように分かりやすく、行動しやすいようにサイトの改善を行うだけでユーザビリティの向上が期待できます。
Webサイトのユーザビリティを改善する具体的施策5選
ユーザビリティ改善の具体的な方法を5つに絞りお伝えします。
- ファーストビューを分かりやすくする
- アイコンやイラストで操作や意味を表現する
- ボタンのデザインを工夫する
- ページ内リンクを設定する
- 複数チャネルで一貫性を持たせる
ファーストビューの分かりやすさ
ファーストビューの分かりやすさは、直帰率を下げる意味でも非常に重要です。
「ロゴ」「メインビジュアル」「グローバルナビゲーション」の3つに改善の余地がないか考えてみましょう。
他社のサイトをこの3つに絞り、動きを分析してみるのも良いでしょう。
サイトによっては、訪問してすぐにアクションを起こすリピーターユーザーもいるため、すぐ申し込みなどができるよう「ボタン」も設置しましょう。
アイコンやイラストで操作性を向上
アイコンは分かりやすさや操作性を向上するのに役立ちます。
SNSのアイコンや虫眼鏡のアイコンは見ただけで、その目的が理解できますね。家のボタンで戻り、手紙のアイコンでメールを送れるなどもあります。
アイコンだけではなく、青文字で下線が引かれているテキストはリンクですし、企業ロゴもトップページに戻ることができます。
これらは操作の説明をしなくてもアイコンや表示で理解ができます。
イラストを用いて表現することもユーザビリティの改善に繋がります。例えば、マップや使い方をイラストで表現することなどです。
ボタンのデザインを工夫する
Webサイトでは「申し込み」「問い合わせ」「詳細」などを分かりやすく目立つ色のボタンにするなど、視覚的に分かりやすく作られています。
アニメーションを施して動きを与える方法もあります。
ユーザーが次に起こすべきアクションを、表現の工夫でナビゲートすることは、ユーザビリティだけでなく、コンバージョンを向上するためにも必要なことです。
アンカーリンクの設置
アンカーリンクとは、クリックするとページ内の特定の場所にスクロールする機能です。代表的なものは「目次」です。
ユーザーはほしい情報にすぐアクセスすることを求めていますので、適切なアンカーリンクの設置は、ユーザビリティの向上に繋がるのです。
端末ごとのユーザビリティ
PCとスマホという異なる端末を使用して、ID/PASSが異なると不便ですよね。
PCで使える機能が、スマホでは使えないというのもユーザビリティとしては低下します。
スマホサイトがユーザビリティが高くオシャレなデザインだったとしても、PCは不便でデザインが古いというケースもあります。
端末間のデータ・機能を統合し、レスポンシブデザインも含めてユーザビリティを向上するようにしていきましょう。
まとめ
ここまでWebサイトのユーザビリティについて以下の情報を中心に紹介しました。
- Webサイトのユーザビリティとは「Webサイトの使い勝手がいい」という意味だけでなく、ユーザーの満足度も含まれていること
- ユーザビリティを向上させるには、ユーザーファーストでユーザーの不満をなくすことが大切であること
- Webサイトの改善の際にはユーザビリティの見直しも行い、今一度サイトのデザインから考え直してみるのも大切であること
ユーザビリティは特に曖昧な定義になりがちですので、データに起こして可視化することが大切です。
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